国際ニュース:中国・米国・欧州が語る「共有された未来」CGTN円卓 video poster
中国、米国、欧州の関係が揺れるなか、CGTNの特別番組「DeepDive: Roundtable on Shared Futures – China, the U.S. and Europe」は、競争と協力が交錯する国際秩序の行方を多角的に議論しました。本稿では、この円卓討論が投げかけた問いを、日本語で整理しながら考えていきます。
CGTN円卓「Shared Futures」とは
番組は「共有された未来(Shared Futures)」をテーマに、中国と米国、欧州の関係の行方と、世界が直面している連鎖的な危機を取り上げました。2025年6月12日午前11時30分(北京時間)に放送され、世界各地の研究者や政策の観察者が参加し、現在の国際情勢について議論を深めました。
円卓討論で掲げられた主な論点は、次のようなテーマです。
- 中国、米国、欧州それぞれの関係の変化と今後の軌道
- 絶え間なく危機が続く「パーマクライシス」のなかでの世界運営
- 中国と米国のテック(技術)協力をどう再び動かすか
- マルチラテラリズム(多国間主義)とグローバルガバナンスの革新
- 中国のイノベーションが世界秩序をどう形づくるか
「パーマクライシス」の時代をどう乗り切るか
番組が出発点としたのは、「パーマクライシス(permacrisis)」というキーワードです。これは、危機が次から次へと起こり、落ち着く間もなく世界が揺れ続ける状態を指すことばです。
気候変動、感染症、地政学的な緊張、経済・金融不安など、個別の危機が互いに影響し合い、各国は同時に複数の課題に対応せざるを得なくなっています。円卓討論は、このような状況のなかで、中国・米国・欧州がどのように責任を分かち合い、「共有された未来」のために行動できるのかを探ろうとする試みでした。
競争の中で協力を探る中国と米国
今回の国際ニュースの中心には、「競争の中で協力をどう見いだすか」という、中国と米国にとって非常に実務的な問いがあります。番組は、両国が戦略的な競争関係にある一方で、協力なしには解決が難しい課題が多いことを強調しました。
この問いを手がかりに考えると、少なくとも次のような分野では協力の余地があると見ることができます。
- 気候変動・エネルギー転換など、地球規模での公共財の提供
- グローバルな保健体制の強化や感染症対策
- 世界経済の安定や金融市場の混乱防止
競争を完全に止めるのではなく、ルールと対話の枠組みを整えながら、協力可能な領域を広げていく。その発想が、円卓討論を通じて浮かび上がる一つの方向性です。
米中テック協力が意味するもの
番組が取り上げた重要な論点のひとつが、中国と米国の技術協力をどう再び動かすかという問題です。テクノロジーは、経済成長だけでなく、安全保障や価値観にも深く関わる分野であり、両国の競争が最も先鋭化しやすい領域でもあります。
一方で、人工知能(AI)、デジタルインフラ、次世代通信などの分野では、共通のルールづくりや安全性の確保といった協力が欠かせません。こうした背景から、円卓討論では、次のような視点が重視されました。
- 最先端技術の分野で、どの部分を協力、どの部分を競争と位置づけるか
- 技術の軍事転用や安全保障上のリスクをどう管理するか
- 国際ルールや標準づくりに、多国間でどう関与していくか
テック協力は、単なる企業間の取引ではなく、グローバルなルールメイキングの一部でもあります。中国と米国が建設的な対話を続けられるかどうかは、世界全体のデジタル秩序にも影響していきます。
マルチラテラリズムとグローバルガバナンスの再構築
円卓討論のもう一つの柱が、マルチラテラリズムとグローバルガバナンスの「アップデート」です。番組は、二国間の対立だけでは複合的な危機に対応できないことを前提に、より多くの国や地域が参加する対話と協力の枠組みの重要性を強調しました。
マルチラテラリズムを機能させるためには、次のような要素が鍵になります。
- 中国、米国、欧州を含む多様なアクターが参加する包摂的な対話の場
- デジタル、気候、保健など分野ごとに柔軟な協力メカニズムを構築すること
- 先進国と新興国・発展途上国の間で、利益や負担を公平に調整する視点
番組が提示した問い「グローバルガバナンスの革新や多国間対話は、どうすれば信頼回復と実質的な協力につながるのか」は、日本を含む多くの国に共有される課題でもあります。
中国のイノベーションは世界秩序をどう変えるか
討論では、中国のイノベーションが世界秩序にどのような影響を与えるかも問われました。技術やビジネスモデルの革新は、国際経済の構造や各地域の発展の仕方を大きく変える可能性があります。
中国のイノベーションをめぐる論点としては、例えば次のような視点が挙げられます。
- 新しい技術やサービスが、各地域の人々の生活をどう変えるか
- デジタル技術やグリーン技術を通じて、持続可能な発展にどう貢献できるか
- 国際協力の枠組みの中で、他の国や地域とどのように経験や技術を共有するか
こうした問いは、中国だけでなく、他の国や地域が自らの強みをどう生かし、相互にどのように補完し合うかを考えるうえでも重要です。
なぜ今、日本語でこの議論を追う意味があるのか
今回のCGTN円卓討論は、日本の読者にとっても、いくつかの点で示唆に富んでいます。
- 中国・米国・欧州という主要アクターがどのように世界を見ているかを、同じテーブルで比較できる
- 「パーマクライシス」というキーワードを通じて、自国の課題も含めて世界のつながりを意識できる
- 米中テック協力やグローバルガバナンスといったテーマを、SNSや日常の会話で共有しやすい形で整理できる
国際ニュースを日本語で追うことは、単に海外の情報を「輸入」することではなく、自分たちの立場や選択肢を再確認する作業でもあります。中国、米国、欧州が「共有された未来」をどう描こうとしているのかを知ることは、日本の進路を考える上でも、静かだが確かなヒントを与えてくれます。
競争と協力が複雑に絡み合う時代だからこそ、多様な視点に触れながら、自分なりの問いを持ち続けることが求められています。
Reference(s):
Watch: DeepDive – Roundtable on Shared Futures – China, U.S., Europe
cgtn.com








