第27回上海国際映画祭が開幕 映画130年を祝うオープニング・ガラ video poster
2025年6月13日から22日まで開催された第27回上海国際映画祭(Shanghai International Film Festival、以下SIFF)は、14日夜のオープニング・ガラで華やかに幕を開けました。世界映画誕生130周年と中国映画120周年という節目を祝うこの夜は、映画の都としての上海の存在感と、中国の映画産業の現在地を映し出す象徴的なイベントとなりました。
第27回上海国際映画祭(SIFF)の概要
SIFFは、10日間にわたり行われる中国有数の国際映画祭です。2025年の第27回は、6月13日から22日までの日程で開かれ、映画を愛する多くの人々が上海に集まりました。
主催者によれば、SIFFはこれまでに次のような役割を果たしてきました。
- 中国の映画産業の発展に貢献してきたこと
- 上海という都市の競争力と文化的なソフトパワーを高めてきたこと
- 映画を愛する一般の人々のニーズに継続的に応えてきたこと
今回のオープニング・ガラもその延長線上にあり、映画産業関係者だけでなく、一般の映画ファンにとっても「映画の今」を体感できる場となりました。国際メディアのCGTNは、このオープニング・ガラの模様を伝え、世界の視聴者に上海の映画文化の熱気を届けました。
オープニング・ガラが祝った二つの節目
今年の開幕式の特徴は、世界映画130周年と中国映画120周年という二つの節目に正面から光を当てた点にあります。式典全体が、映画という表現形式の歴史と可能性をたたえる「オマージュ」として構成されました。
世界映画130年へのまなざし
オープニング・ガラは、世界映画の130年にわたる歩みに敬意を表する場として位置づけられました。無声映画からトーキー、フィルムからデジタルへと変化してきた映像技術の歴史だけでなく、人間の感情や社会の変化を映し出してきた映画の役割そのものに、あらためて光を当てる試みでもあります。
ストリーミングやショート動画が存在感を増す2020年代において、「なぜ映画館で映画を観るのか」という問いは、世界共通のテーマになりつつあります。130年という長い時間軸を意識することで、映画館で共有される時間や空間の価値を再確認する機会にもなりました。
中国映画120年という節目
同時に、オープニング・ガラは中国映画の120周年も祝いました。中国映画は、社会や生活の変化を映し出しながら独自のスタイルを育んできました。近年は国際共同制作や映画祭を通じて、海外とのつながりも一層強まっています。
120年という歴史を振り返りつつ、次の世代へと映画文化をどうつなぐのか。SIFFの開幕式は、中国映画の過去と未来をつなぐ「橋」としての役割も担っていたと言えるでしょう。
光と影が交錯する「映画都市」上海
今年のオープニング・ガラは、上海を「光と影が交錯し、都市の活力が共鳴する映画都市」として印象づける演出がキーワードになりました。
主催側は、世界に向けて開かれた姿勢を強調しつつ、次のような都市イメージを打ち出しています。
- 多様な映画人や観客を受け入れる「オープンな懐」を持つ都市であること
- 歴史的な街並みと現代的な高層ビルが共存し、映画的な風景が広がること
- 産業としての映画と、文化としての映画の両方を支える土壌があること
夜の上海を彩るネオンやライトアップされた建築は、文字通り「光と影が織りなす」都市空間です。オープニング・ガラは、その都市風景とシンクロしながら、映画祭そのものを一つの「巨大な映画のワンシーン」のように見せる試みでもありました。
映画祭が示す中国のソフトパワー
SIFFは、中国の映画産業にとって重要なプラットフォームであると同時に、上海と中国の文化的なソフトパワーを発信する場でもあります。今回のオープニング・ガラからは、少なくとも次のようなメッセージを読み取ることができます。
- 映画を通じて世界と対話しようとする姿勢
- エンターテインメントと文化政策を両立させる試み
- 都市ブランドと映画産業を連動させる戦略
国際映画祭は、受賞作やレッドカーペットだけが注目されがちですが、その背後には「どんな価値観や物語を世界に発信したいのか」という企画側の意思があります。世界映画130年、中国映画120年という数字の重なりをテーマに据えたことは、中国が映画史の中で果たしてきた役割と、今後果たそうとする役割を強く意識している表れとも言えます。
アジアから世界を見るためのレンズとして
日本からこのニュースを見る私たちにとって、SIFFのような国際映画祭は、アジアのダイナミズムを感じる一つのレンズでもあります。映画祭の動きは、エンタメ業界だけでなく、都市政策、観光戦略、文化交流のあり方とも密接に関わっています。
2025年の第27回上海国際映画祭のオープニング・ガラは、単なる華やかなセレモニーではなく、映画の歴史と未来、そして都市のビジョンを重ね合わせた「物語」として設計されたイベントでした。世界とアジアの動きを日本語で追ううえで、こうした映画祭のテーマや構図に注目してみると、ニュースの見え方が少し変わってくるかもしれません。
Reference(s):
Watch: Opening night gala of 27th Shanghai International Film Festival
cgtn.com








