上海・世界AI会議2025でAI開発と安全を議論 CNAISDAが公開フォーラム開催 video poster
人工知能(AI)が新たな技術・産業革命の原動力となる中、上海で開かれている2025年の世界AI会議(World AI Conference/WAIC)では、AIの発展と安全をめぐる国際的な議論が一段と重要になっています。
会議期間中、中国AI安全・発展協会(China AI Safety and Development Association/CNAISDA)は、「AIの発展と安全」をテーマにした公開フォーラムを開催し、著名な研究者や学者、産業界のリーダーたちがライブ形式で議論を交わしています。最新のAI技術や実用的な応用事例を踏まえながら、AI開発をいかに安全で信頼でき、かつ人間のコントロールの範囲に保つのかが焦点となっています。
「AIの発展と安全」公開フォーラムのねらい
今回の公開フォーラムは、AIが私たちの生活や仕事のあり方を根本から変えつつある2025年において、次のような問いに正面から向き合う場となっています。
- 急速なイノベーションと必要な安全監督のバランスを、どう取るべきか。
- AI開発を「安全で、信頼でき、制御可能」なものにするために、どのような具体的行動が必要か。
- AIの恩恵を、世界の人々が公平かつ包括的に共有するにはどうすればよいか。
フォーラムでは、こうした問いを軸に、技術的な視点と社会的な視点の両面から議論が展開されています。
論点1:イノベーションと安全監督のバランス
AI分野では、モデルの高度化や応用範囲の拡大が非常に速いペースで進んでいます。一方で、安全性や倫理に関するルールづくりは、どうしても時間がかかりがちです。このギャップをどう埋めるかが、フォーラムの大きな論点のひとつです。
急激な技術の伸びを過度に抑え込めば、社会にもたらされる利便性や新産業のチャンスが失われるおそれがあります。逆に、安全監督が不十分なまま開発競争が進めば、誤作動や悪用、偏った判断といったリスクが高まります。参加者たちは、両者の「ちょうどよい接点」を探る必要性を共有しています。
論点2:AIを「安全で信頼でき、制御可能」にするには
フォーラムでは、「安全で信頼でき、制御可能」というキーワードが繰り返し意識されています。これは、AIが予期せぬ振る舞いをしないことはもちろん、人間がその判断や振る舞いを理解し、必要に応じて介入できる状態を指します。
そのためには、技術開発の段階からリスクを見据えた設計や検証を行うこと、運用段階でも継続的に監視・改善を行うことが重要になります。AIの利便性を享受しながらも、人間が最終的な責任を負える枠組みをどうつくるかが、今後の大きな課題といえます。
論点3:AIの恩恵を公平かつ包括的に共有するには
もう一つの重要なテーマが、「AIの利益を世界がどのように分かち合うか」です。AIの開発力やデータ資源は地域によって偏りがちであり、その結果、恩恵の受け方にも差が生まれやすくなります。
フォーラムでは、世界が効率的に協力し、AIのメリットをより公平で包摂的な形で共有する道筋が問われています。教育や医療、行政サービスなど、暮らしに直結する分野で誰もが取り残されないようにするには、国・地域を超えた対話と協力の枠組みが不可欠です。
国際協力の場としての上海・WAICの意味
上海で開かれている世界AI会議2025は、AIの技術面だけでなく、安全やガバナンス(統治のあり方)、国際協力の方向性を話し合う場としても位置づけられています。CNAISDAが主催する今回の公開フォーラムは、その中でも特に「発展」と「安全」を両立させる視点に焦点を当てている点が特徴です。
日本を含む多くの国や地域にとって、AIのルールづくりや国際連携の動きは、近い将来のビジネスや社会政策に直結します。上海での議論は、今後のAI戦略を考えるうえで、重要な参照点のひとつとなりそうです。
読み手にとっての問いかけ
AIが身近なサービスや仕事の現場に入り込む2025年現在、「便利だから使う」で終わらず、「安全で、公平で、誰にとっても意味のある技術になっているか」を問い直すことが求められています。
上海で進む「AIの発展と安全」をめぐる議論は、国際ニュースであると同時に、私たち一人ひとりがこれからのAIとの付き合い方を考えるためのヒントにもなります。スマートフォン越しにこのニュースを読む読者にとっても、自分の生活や仕事に引き寄せて考えたくなるテーマと言えるでしょう。
Reference(s):
cgtn.com








