中国ロボット・AI大会でヒューマノイド全国決勝 800人超が挑んだ自律ロボット競技 video poster
2025年8月24日、中国・安徽省合肥市で開催された第27回中国ロボット・人工知能大会のヒューマノイドロボット競技全国決勝で、800人を超える学生と約200体のフルサイズ・ヒューマノイドロボットが最先端の技術を披露しました。ロボットは遠隔操作に頼らず、自ら環境を認識してコースを走破し、産業現場さながらの課題に挑みます。
ヒューマノイドが主役の全国決勝とは
今回の全国決勝は、第27回中国ロボット・人工知能大会の一部として行われたヒューマノイドロボット競技です。中国各地の大学から選抜されたチームが集まり、人型ロボットとAI(人工知能)技術の「現在地」を示す場となりました。
会場となった安徽省合肥市には、49の大学から800人以上の学生が参加し、ほぼ人間と同じ背丈のフルサイズ・ヒューマノイドロボットが約200体集結しました。数の多さだけでなく、多様な設計思想やソフトウェアが一堂に会したことが、この大会の特徴です。
「人間なし」で走り切る 自律走行と環境認識が鍵
このヒューマノイド競技の大きなポイントは、ロボットが完全自律で動くというルールです。競技中は遠隔操作用のコントローラーは使えず、ロボットは自ら周囲の状況を判断しながらコースを進まなければなりません。
そのため、カメラや各種センサーで周囲の環境を認識し、リアルタイムで進路を決める「環境認識」と「自律制御」の精度が勝負を分けます。開発した学生たちは、ソフトウェアのアルゴリズムとハードウェアの安定性の両方を高いレベルでまとめ上げる必要があります。
産業現場を想定した3つのチャレンジ
ロボットたちが向き合うのは、単なるスピード勝負ではなく、産業現場への応用を意識した複合的な課題です。
- 多様な地形での自律走行:凹凸のある路面や傾斜など、歩きにくい環境を自ら判断しながら進む。
- 知能的な障害物回避:前方に障害物が現れても、センサー情報をもとに衝突を避けるルートを計算し、安全に通過する。
- 効率的な資材運搬:荷物を持ち運ぶ、決められた場所に運ぶなど、物流や工場を連想させる作業をこなす。
これらの課題は、工場ラインや倉庫、建設現場など、実際の産業環境でロボットが人と協働する場面を強く意識した内容と言えます。
人とロボットの協働、何が見えてきたか
今回のヒューマノイド競技の特徴は、「人に代わるロボット」ではなく、「人と一緒に働くロボット」を強く意識している点です。自律走行・障害物回避・資材運搬といった要素は、現場の負担軽減や安全性向上に直結しやすいテーマだからです。
人が危険な場所に入らずに済むようにする、重い荷物の運搬をロボットがサポートする、広い工場内や倉庫内を自律走行して点検する──そのための基盤技術が、この競技で磨かれています。
「学びの場」としてのロボット競技
49の大学から集まった800人超の学生にとって、この大会は単なるコンテストではなく、「現場に近い条件で試すことができる実験場」でもあります。ロボットが思うように動かない、センサーがノイズに弱い、処理が追いつかないなど、教科書だけでは分からない課題に直面し、改善を重ねることになります。
こうした経験は、将来、産業用ロボットやAIシステムの開発に携わるときにそのまま生きてきます。大学での理論研究と、社会で求められる実装力を橋渡しする場として、ロボット競技は存在感を増しています。
ロボット・AI時代の「国際ニュース」として
中国で行われた今回の全国決勝は、ロボットとAIが社会にどう組み込まれていくかを考えるうえで、アジアの動きを知る国際ニュースの一つと言えます。ヒューマノイドロボットが産業現場に入り始める未来は、決して遠い話ではありません。
2025年の今、各国・地域でロボットとAIの実証実験が進む中、このような学生主体の大会は、次の時代の技術者を育てる重要な役割を担っています。日々のニュースの一つとして眺めるだけでなく、「自分の仕事や暮らしとどう関わってくるのか」を考えてみるきっかけになりそうです。
Reference(s):
Live: Witness robots conquer challenges at robotics and AI event
cgtn.com








