中国の抗日戦争勝利80周年記念行事へ向けた準備と平和メッセージ video poster
2025年に勝利80周年を迎えた中国人民抗日戦争と世界反ファシズム戦争の記念行事に向けて、「中国人民抗日戦争・世界反ファシズム戦争勝利80周年記念行事」の報道センターが今年8月29日、第二回記者会見を開きました。中国の馬朝旭(マ・ジャオシュー)外務次官が、中国の平和的発展へのコミットメントと「人類運命共同体」の構築に向けた考え方を説明し、その後、各国メディアの質問に答えました。
2025年は「勝利80周年」の節目
2025年は、中国が「中国人民抗日戦争」と呼ぶ戦争および世界反ファシズム戦争の勝利から80年にあたります。中国では毎年、戦争の記憶と平和への思いを振り返る行事が行われていますが、80周年という節目の年は、国内外の注目が一段と高まっています。
今回の記念行事は、戦争での犠牲を追悼しつつ、歴史の教訓を現代の国際秩序や地域の安定とどう結びつけるのかを示す場にもなっています。国際ニュースとしても、日本を含むアジア各国にとって無関係ではないテーマです。
8月29日の第2回記者会見で何が語られたのか
今年8月29日に開かれた報道センターの第二回記者会見は、勝利80周年記念行事の準備状況を国内外に伝える場として実施されました。会見では、行事の全体像に加えて、中国外交の基本的な方向性が改めて示された点が特徴的でした。
馬朝旭外務次官は、次のような点を強調しました。
- 中国は平和的発展の道を揺るがず歩み続けること
- 第二次世界大戦後に形成された国際秩序を尊重し、守っていく姿勢
- 「人類運命共同体」の構築という理念の下で、国際協力を推進していく考え方
会見後半では、記者から記念行事の具体的な内容や、中国の平和外交の実践について質問が寄せられ、中国側が考える国際協調のあり方などが説明されました。記者会見の様子は、記念行事の準備状況を伝えるライブ更新の一部として発信されました。
キーワード1 「平和的発展」というメッセージ
今回の記者会見で改めて打ち出されたのが、「平和的発展」というキーワードです。中国は、自らの発展は他国に脅威を与えるものではなく、協力を通じて共に利益を得る道をめざすという立場を繰り返し表明してきました。
戦争の勝利80周年という歴史的な節目で、あえて平和的発展を前面に出すことは、次のようなメッセージとして読むことができます。
- 過去の戦争の悲劇を繰り返さないという意思表示
- 対立よりも対話、排他よりも協調を重視する姿勢の強調
- 経済・安全保障・環境など幅広い分野での国際協力を呼びかける狙い
日本の読者にとっても、「国際ニュース」としての中国の発信をどう受け止めるかは、東アジアの将来像を考えるうえで避けて通れないテーマです。
キーワード2 「人類運命共同体」とは何か
馬朝旭外務次官が言及した「人類運命共同体」は、中国が近年掲げている重要な理念の一つです。直訳すると、人類が運命を共にする共同体という意味で、グローバルな課題を互いに協力して解決していくべきだという考え方を示しています。
この理念には、主に次のような要素が含まれていると説明されます。
- 安全保障: 一国だけの安全ではなく、地域全体・世界全体の安定を重視する
- 経済発展: 互いにとってウィンウィンとなる協力と連携をめざす
- 文化と価値観: 多様性を尊重しつつ、対話を通じて共通点を広げていく
戦争の記憶を語る場で「人類運命共同体」が語られたことは、歴史の振り返りと、将来の国際秩序のビジョンを結びつけようとする試みとも言えます。
日本とアジアにとっての意味
日本に住む私たちにとって、中国の戦争記念行事や平和メッセージは、ときに距離を感じるテーマかもしれません。しかし、80年前の戦争は、日本とアジア全体の歴史と深く結びついており、その記憶の語り方は、現在の外交や世論にも影響を与えます。
今回の記者会見は、次のような点を考えるきっかけを与えてくれます。
- 戦争の悲劇をどう記憶し、どのような教訓として次世代に伝えるのか
- 日本と中国を含むアジア諸国が、地域の安定と繁栄のためにどのような協力ができるのか
- 歴史認識の違いがあっても、平和と対話を共通の目標として共有できるのか
ニュースをただ「出来事」として消費するのではなく、自分自身の考えを更新する材料として読むことが、デジタル時代のニュースの活かし方と言えるでしょう。
今日考えたい3つの視点
今回の中国の記念行事と記者会見をめぐる動きを踏まえて、読者のみなさんに問いとして残したい視点を3つ挙げます。
- 歴史の記憶を、対立ではなく対話や協力につなげるには何が必要でしょうか。
- 「平和的発展」というキーワードを、アジアの安全保障や経済の文脈でどう位置づけられるでしょうか。
- 「人類運命共同体」という発想は、日本社会の価値観や外交姿勢とどのように響き合うでしょうか。
2025年12月の今、80年前の戦争を振り返る中国の動きを日本語で追いながら、自分自身の視点を静かに見直してみる。それは、SNSでの議論や日常の会話に、一歩深い問いを持ち込むきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
Live: Updates on preparations for the victory anniversary events
cgtn.com








