モウコノウマ28頭が甘粛省で野生復帰へ 河西回廊を越えた東西の旅 video poster
2025年9月15日、甘粛省武威市の希少野生動物保護センターで飼育されていたモウコノウマ28頭が、一括輸送で敦煌西湖国家級自然保護区へと移送され、野生復帰に向けた新たな一歩を踏み出しました。
甘粛省・武威から敦煌へ:河西回廊を横断する移送
甘粛省武威市にある希少野生動物保護センターから、敦煌市の西湖国家級自然保護区までの移送は、河西回廊の東端から西端までを横断する象徴的なルートとなりました。今回のモウコノウマは、専用車両による一括輸送で慎重に運ばれました。
短時間で要点を押さえると、今回のプロジェクトは次のように整理できます。
- 日付:2025年9月15日
- 頭数:モウコノウマ28頭
- 出発地:甘粛省武威市・希少野生動物保護センター
- 到着地:敦煌西湖国家級自然保護区
- 目的:モウコノウマの野生環境への再導入
モウコノウマとはどんな動物か
モウコノウマ(Przewalski's horse)は、現存する唯一の純野生馬として知られ、長年にわたって絶滅の危機にさらされてきました。かつては乾燥した草原や半砂漠地帯に広く生息していましたが、生息地の減少や乱獲などの影響で自然界から姿を消し、保護施設での繁殖が中心となっていました。
今回の移送は、保護施設で増やした個体を本来の生息環境に戻し、自然の生態系の中で群れとして生活できるようにする「再導入」の取り組みの一つです。将来的には、現地の気候や植生に適応した安定した野生集団の形成が期待されています。
河西回廊と西湖国家級自然保護区
河西回廊は、中国北西部を東西に結ぶ細長い地域で、歴史的にはシルクロードの要衝として知られてきました。今回のモウコノウマの移送ルートは、この河西回廊の東端に位置する武威から、西端に近い敦煌へと向かう「東から西への旅」となりました。
敦煌西湖国家級自然保護区は、砂漠と湿地が共存する独特の環境を持ち、乾燥地帯の生物多様性を守る上で重要な地域です。モウコノウマにとっても、草地や水資源が確保されたこの保護区は、野生復帰の試みを進める上で適した場所とされています。
デジタル時代の自然保護:ライブ配信の意味
この移送の様子は、中国の国際メディアであるCGTNがライブ配信で伝えました。視聴者はオンラインを通じて、保護センターからの出発、輸送の過程、保護区で放たれる瞬間までを見守ることができました。
現地に行くことが難しい人びとが、リアルタイムで野生動物保護の現場に触れられることは、自然保護への関心を高める一つのきっかけになります。デジタル技術は、単に情報を届けるだけでなく、「保護の現場」と「画面の前の市民」とをつなぐ役割を担い始めています。
このニュースから考えたい3つの視点
今回のニュースから、今後注目したいポイントを簡単に整理してみます。
- モウコノウマの適応状況:新たな環境での行動、繁殖、群れの形成などが、長期的にどのように推移するか。
- 地域社会との関わり:保護区周辺の住民や牧畜、観光とのバランスをどのように取るのか。
- 他地域への波及効果:他の絶滅危惧種や保護区域でも、同様の再導入プロジェクトがどのように進むのか。
モウコノウマ28頭の「東から西への旅」は、一頭一頭の命を守る取り組みであると同時に、乾燥地帯の生態系を未来につなぐ実験でもあります。スケールの大きな自然と、緻密な保護活動と、私たちの日常の画面がつながるとき、環境ニュースは少しだけ自分事として感じられるようになります。
日々のニュースの一つとして読んだこの出来事を、家族や友人、オンラインコミュニティで共有しながら、「野生と人間がどう共存できるのか」を考えるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








