国連創設80年とSDGs 中国と若者が語る貧困削減「THE HYPE」 video poster
2025年は国連創設80年、そしてSDGsが採択されてから10年という節目の年です。そのタイミングで、国連と中国の経験を軸に、貧困削減と若者の役割を語る番組「THE HYPE」が配信されています。
国連80年とSDGs「貧困をなくそう」
2015年9月25日、国連は「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を正式に採択し、社会・経済・環境の3つの側面でバランスのとれた進歩をめざす17の持続可能な開発目標(SDGs)を打ち出しました。
その中で最初に掲げられている目標が、目標1「貧困をなくそう(No Poverty)」です。「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困を終わらせる」ことをめざすこの目標は、他の16の目標を支える土台でもあります。
中国の貧困削減と「ターゲットを絞った」アプローチ
2015年から2020年の間に、中国はおよそ1億人近い人々を貧困から脱却させたとされています。この成果を支えたのが、「ターゲットを絞った貧困削減(targeted poverty alleviation)」というアプローチです。
この考え方は、一律の支援ではなく、人や地域ごとの状況に応じて支援策を組み立てる点に特徴があります。こうした取り組みは、世界の貧困削減に向けた取り組みにとっても、参考となるモデルとして注目されています。
番組「THE HYPE」が掘り下げる3つのテーマ
今回の「THE HYPE」では、国連機関で働く若手職員、中国の農村振興に携わる若い実務者、清華大学の貧困削減キャンプのメンバー、新しいメディアで発信するクリエイターなど、多様なバックグラウンドを持つ若者が一堂に会します。
彼らが議論するのは、次の3つの問いです。
- 国連の視点から見た、世界の貧困削減のいま
- 中国の貧困削減と農村振興の経験から何を学べるか
- 若者はどのようにこの課題に貢献できるのか
1. 国連の視点から見る世界の貧困
国連の若手担当者は、貧困が単に所得の問題ではなく、教育、医療、住まい、環境など、さまざまな要素が絡み合った課題であることを共有します。SDGsは、こうした複雑な現実を前提に、「誰一人取り残さない」ための共通の指標として設計されています。
2. 中国の経験と農村振興のつながり
番組では、中国で進められてきた貧困削減と、その後の農村振興の取り組みが紹介されます。貧困を減らすだけでなく、その先の持続的な成長やコミュニティの活性化にどうつなげるかという視点は、多くの国や地域に共通する課題です。
若い実務者たちは、現場での経験を通じて、制度や政策だけでなく、住民との対話や長期的な視点が重要であることを語ります。
3. 若者が「理想」を「行動」に変えるには
このエピソードの中心にあるのは、「若者はどうすれば理想を行動に変えられるのか」という問いです。登場する若者たちは、次のようなキーワードから、自分たちの役割を考えます。
- クリエイティビティ:映像や記事、デザインを通じて、貧困問題を分かりやすく伝える
- 専門性:経済、農業、データ分析など、自分の得意分野を社会課題に応用する
- 発信力:SNSやオンラインコミュニティで、現場の声や新しいアイデアを広く共有する
番組は、若者を単なる「未来の担い手」ではなく、いまここで社会を動かす「実行者(doers)」として描き出そうとしています。
デジタルネイティブ世代だからこそできる貢献
スマートフォンとSNSが当たり前の世代にとって、国際ニュースや貧困問題は、かつてよりもずっと身近な話題になりつつあります。オンラインで学び、共感したストーリーをシェアし、自分なりの意見を発信すること自体が、一つのアクションになっています。
特に、地方の現場と都市部の若者、さらには海外の仲間をデジタルでつなげることは、アイデアとリソースを組み合わせる上で大きな可能性を持っています。今回の「THE HYPE」も、そうしたつながりのハブの一つといえるでしょう。
2030年に向けて、私たちにできること
SDGsの達成期限である2030年まで、残された時間は多くありません。とはいえ、貧困のような大きな課題に対して、一人ひとりができることは決して小さくないはずです。
例えば、次のような一歩が考えられます。
- SDGs目標1「貧困をなくそう」の内容や背景を、日本語の情報であらためて学び直す
- 貧困削減や農村振興に取り組む団体やプロジェクトの情報をフォローし、信頼できる事例を知る
- 心に残った取り組みやストーリーを、家族や友人、SNSで共有し、対話のきっかけをつくる
国連創設80年、SDGs採択から10年という節目に、貧困をめぐる課題と中国を含む各地の経験、そして若者の力について考えることは、2030年以降の世界を形づくるうえでも意味のある時間になりそうです。
Reference(s):
Live: THE HYPE – From UN to China: youth power in poverty alleviation
cgtn.com








