中国・都江堰のユーズイとは?2000年続く水を分ける知恵 video poster
中国南西部の四川省・都江堰市にある水利施設ユーズイ(Yuzui)は、Minjiang川を二つに分け、2000年以上にわたって成都平原を洪水と干ばつから守ってきました。古代の土木技術と現代の補強が重なるその姿は、2025年の今も生きたインフラの教科書のような存在です。
都江堰の中枢、ユーズイとは
ユーズイは、英語でFish Mouth(魚の口)を意味し、その先端の形が魚の口のように見えることからこの名が付けられています。南西中国の四川省にある都江堰市で、Minjiang川をまたぐ形で500メートル以上にわたって伸びる巨大な構造物です。
都江堰灌漑システムを構成する三つの主要部分の一つとされ、川の水を内側の流れと外側の流れに分ける、いわば心臓部の役割を果たしています。
水を二つに分ける、その役割
ユーズイの最大の役割は、Minjiang川の水を内側の川と外側の川に分けることです。この水の振り分けによって、洪水を抑えつつ、農地に必要な水を安定して届けることができます。
この仕組みにより、成都平原では長い歴史の中で大きな潤いがもたらされてきました。単に堤防で水をせき止めるのではなく、流れをうまく分けて活用するという発想が、ユーズイの根本にあります。
2000年以上続くインフラを支えるメンテナンス
ユーズイは、2000年以上にわたり使われ続けてきたとされる水利施設です。その長寿命を支えてきたのは、時代ごとのていねいな維持と補強です。
- 歴史を通じて一貫して維持管理が行われてきたこと
- 現代では、玉石に加えてコンクリートや鋼材で補強されていること
- 古代の設計思想を活かしながら、安全性と耐久性を高めていること
こうした工夫により、ユーズイは古代の知恵を残しながらも、現代の水害対策や灌漑にも対応できる構造へと進化し続けています。
古代の知恵と現代技術が交わる場所
ユーズイは、単なる歴史的な遺構ではありません。古代の設計が現在も機能し続けている、現役のインフラです。そこには、次のような考え方が読み取れます。
- 自然の川の流れを完全に変えるのではなく、うまく「いなして」利用するという発想
- 短期的な効果ではなく、世代を超えて使い続けられる仕組みづくり
- 構造そのものだけでなく、定期的な維持・補強を前提とした長期運用
2025年の今、インフラの老朽化や更新が話題になる中で、ユーズイのように数千年単位で機能し続ける水利システムは、長期的な視点の大切さを静かに教えてくれます。
成都平原を守り続ける水の分岐点
ユーズイは、成都平原の繁栄を支えてきた水の分岐点です。Minjiang川の流れを二つに分けるというシンプルな役割の背後には、洪水を抑え、農地を潤し、地域の暮らしを安定させるという複数の目的が重なっています。
歴史を通じて守られ、現代の素材で補強されながらも、基本的な考え方は変わっていません。古代のエンジニアリングの知恵が、2025年の今もなお成都平原の豊かさを支えている――ユーズイは、その象徴的な存在だと言えます。
Reference(s):
Live: Yuzui – the water-dividing wonder of Dujiangyan – Ep.2
cgtn.com








