中国最古の絹文書が湖南省博物館へ 戦国時代資料が79年ぶり里帰り video poster
きょう、中国最古の絹文書が湖南省博物館の収蔵品に
2025年12月8日、中国中部・湖南省長沙市にある湖南省博物館に、中国で最も古い絹の文書とされる『Zidanku Silk Manuscripts』が新たに加わりました。収蔵されるのは、『Wuxing Ling(第2巻)』と『Gongshou Zhan(第3巻)』の2点です。
戦国時代から出土した唯一の絹文書
湖南省博物館に加わったこれらの絹文書は、紀元前475〜221年ごろの戦国時代のものとされています。中国の戦国時代から出土した絹の文書としては、これまでのところ唯一の例とされており、古代史研究のうえで極めて重要な一次資料です。
薄い絹に書かれた文字は、当時の思想や制度、社会のあり方を知るための手がかりとなります。紙の資料よりも劣化しやすい素材であることを考えると、いままで残り、研究対象となっていること自体が大きな意味を持ちます。
1946年に米国へ 不法持ち出しから79年
これらの絹文書は、1946年に不法にアメリカ合衆国へ持ち出されたとされています。今回の湖南省博物館への収蔵は、それから79年を経て、中国に戻ってくる大きな節目の出来事です。
長い年月のあいだ国外にあった文化財が、本来ゆかりのある地域に戻ることは、歴史的な資料を守り、次の世代に引き継いでいくうえで重要なプロセスです。戦争や混乱の時代に流出した品々が、少しずつ本来の場所に戻っていく動きの一つともいえます。
「文化財の帰還」が持つ意味
今回のニュースは、一つの博物館の収蔵品が増えたというだけではなく、文化財保護や国際社会のルールという観点からも注目されています。文化財の帰還には、次のような意味が重なっています。
- 中国の歴史研究にとって重要な一次資料が、本国で体系的に研究・保存されるようになる
- 不法な文化財流出の問題に対する国際的な関心を、あらためて喚起するきっかけとなる
- その土地に暮らす人々が、自らの歴史や文化に直接触れる機会が広がる
こうした動きは、一国の利益というよりも、人類共通の文化遺産をどのように守るかという、より大きな課題とつながっています。
デジタルネイティブ世代にとっての「古文書」
スマートフォンでニュースを読む私たちにとって、戦国時代の絹文書は、遠い過去の出来事のように感じられるかもしれません。しかし、数千年前に生きた人々が残した文字を読み解くことは、「人は社会の中で何を大切にしてきたのか」「権力や戦争、平和をどう考えてきたのか」といった、今にもつながる問いを投げかけます。
今後、湖南省博物館がこれらの絹文書の研究や公開方法をどのように進めていくのかは、国際的にも関心を集めそうです。デジタル化やオンライン展示が進めば、国境を越えて多くの人が、この貴重な資料にアクセスできる可能性もあります。
これから注目したいポイント
きょう湖南省博物館に収蔵された『Zidanku Silk Manuscripts』は、中国の戦国時代研究だけでなく、文化財の返還をめぐる国際的な議論にとっても象徴的な存在になりそうです。今後は、次のような点が注目されます。
- 一般向けの公開がどのような形で行われるのか
- 研究者による新たな解読や分析が進み、戦国時代への理解がどこまで深まるのか
- 今回のケースが、他の流出文化財の返還交渉にどのような影響を与えるのか
ニュースとしての「出来事」を追うだけでなく、文化財と国際社会の関係について、自分なりの視点や問いを持ってみることで、日々の情報収集が少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
Live: China's earliest known silk texts join Hunan Museum's collection
cgtn.com








