中国・杭州Xixi National Wetland Park 都市と自然と文化が交わる国家湿地公園 video poster
中国・杭州Xixi National Wetland Park 都市と自然と文化が交わる国家湿地公園
中国浙江省杭州市の西部に広がるXixi National Wetland Parkは、都市のなかに残された湿地と、そこで育まれてきた暮らしや文化が重なり合う場所です。中国本土で初めての国家湿地公園とされ、環境と文化の両面から注目を集めています。
杭州市の「三つの西」のひとつ
Xixi National Wetland Parkは、西湖(West Lake/Xihu)、西泠印社(Xiling Seal Engravers Society)とともに、杭州を象徴する「三つの西」のひとつとされています。観光案内や地元の語りのなかで、この三つが並べて語られることで、杭州という都市の顔が立体的に浮かび上がります。
西湖が湖とその周辺の景観、西泠印社が篆刻(てんこく)や書の世界を代表するとすれば、Xixi National Wetland Parkは、水路と湿地の風景、そこに暮らす人びとの生活文化を映し出す場だといえます。
10.08平方キロメートルに広がる「都市・農業・文化」の湿地
Xixi National Wetland Parkの面積は、約10.08平方キロメートル。単なる自然保護区ではなく、都市型湿地、農業に根ざした湿地、文化的な活動が息づく湿地が一体となっている点が特徴とされています。
- 都市の湿地:杭州市の西部という都市近郊に位置しながら、水面や水路が網の目のように広がる景観が保たれています。静かな水路が、都市の喧騒と対照的な空気をつくり出します。
- 農業の湿地:長く農業と結びついて利用されてきた湿地は、水田や小さな集落の記憶をとどめていると考えられます。水をめぐる暮らしの知恵が、この土地のあり方を形づくってきました。
- 文化の湿地:祭りや芸能、手工業など、人びとの営みが水辺の環境と結びついた「文化的な湿地」としての側面もあります。
古代Liangzhu Cultureから続く文化のレイヤー
この湿地の歴史は、古代のLiangzhu Cultureまでさかのぼるとされています。長い時間のなかで、水辺の暮らしとともにさまざまな文化が育まれてきました。
なかでも、次のような文化的な要素が受け継がれているとされています。
- Yueju Opera:物語と音楽、舞踊を組み合わせた地方の伝統劇として知られ、水辺の町の生活感や感情を描き出してきました。
- ドラゴンボートレース:細長い舟を何艘も並べて速さを競うドラゴンボートの競漕は、水路と湿地が広がる環境ならではの行事です。競技としての側面だけでなく、地域の結束を高める役割も担ってきました。
- 絹の生産コミュニティ:水と湿った環境を生かした絹の生産に携わる人びとが、長くこの地域を支えてきました。絹づくりの技術や暮らしぶりには、水辺の自然との共生の知恵が刻まれています。
2025年の視点で見るXixi National Wetland Parkの意味
2025年のいま、世界各地で気候変動への対応や生物多様性の保全が大きな課題となるなか、都市のなかに広がる湿地は、そのあり方自体が注目される存在になっています。杭州市西部のXixi National Wetland Parkは、都市、農業、文化という複数の要素を抱え込む湿地として、その一つの姿を示しているといえます。
湿地は一般に、水をためて洪水を和らげたり、多様な生き物のすみかになったりする場所だとされています。同時に、人びとの祭りや芸能、産業の舞台にもなってきました。Xixi National Wetland Parkのように、環境と文化の両面から位置づけられた場所を知ることは、都市と自然の関係を考え直す手がかりになります。
日本を含む多くの国と地域でも、河川や海辺の干潟、田園地帯など、水辺の環境をどう守り、どう活かしていくかが問われています。杭州のXixi National Wetland Parkに重なる物語をたどることは、私たち自身の足元にある水辺や湿地の価値を見直すことにもつながりそうです。
Reference(s):
Live: Glide through the serene waterways of Xixi National Wetland Park
cgtn.com








