APECと若者が描く持続可能な未来 清華大学で語られた協力と希望 video poster
アジア太平洋経済協力会議(APEC)が掲げる「持続可能な明日」は、誰がどのように形づくっていくのでしょうか。2025年10月27日に清華大学で収録されたCGTNの番組『The Power of Youth+』では、韓国、ベトナム、マレーシアの若者代表が集まり、その答えを探りました。
APECが掲げる「持続可能な明日」と若者
APECは、アジア太平洋地域の経済協力を進める枠組みとして、「持続可能な明日」をキーワードに掲げています。そのビジョンを実際に動かしていく存在として、番組が焦点を当てたのが「若者」です。
番組のテーマは、タイトルが示す通り「団結(Unity)」「協力(Collaboration)」「希望(Hope)」。国境を越えて若者が語り合うことで、抽象的なスローガンを、具体的な行動へとつなげていくことが意図されています。
清華大学に集った韓国・ベトナム・マレーシアの若者
今回の収録の舞台となった清華大学には、韓国、ベトナム、マレーシアから若者代表が参加しました。背景も文化も異なる彼らが、一つのテーブルを囲んで未来について語り合うこと自体が、「アジア太平洋の対話」の象徴的なシーンと言えます。
番組では、彼らがそれぞれの視点から次のような問いに向き合いました。
- 若者は社会に対してどのような「リアルな影響(real impact)」を与えられるのか
- 国境や立場を超えて協力するための「コラボレーションの秘訣(secrets of collaboration)」とは何か
- 共通の「希望(shared hopes)」を、具体的な行動にどう変えていけるのか
同じアジア太平洋地域に生きながら、見ている景色も、直面する課題も少しずつ違う若者たち。その違いを持ち寄ることで、むしろ議論は厚みを増していきます。
番組『The Power of Youth+』が映し出した「対話」の力
CGTNの楊欣萌(Yang Xinmeng)氏がホストを務めた今回のエピソードでは、「若者がどうすれば本当の意味で社会に影響を与えられるのか」が丁寧に掘り下げられました。
カメラの前で交わされたのは、立場を主張し合う「議論」というより、互いの経験を重ね合わせていく「対話」に近いものです。異なる国の若者が、共通する悩みや迷い、そして期待を語ることで、「自分たちには何もできない」という無力感を乗り越えようとする姿が浮かび上がります。
キーワードは「団結・協力・希望」
エピソードを貫いていたのは、次の三つのキーワードでした。
- 団結(Unity):一人では届かない声でも、多くの若者が連帯すれば社会を動かす力になり得るという発想
- 協力(Collaboration):国や分野の違いを超えて、互いの強みを生かし合うことで、新しい解決策を生み出そうとする姿勢
- 希望(Hope):不確実な時代だからこそ、「どうせ無理」ではなく「やってみよう」と言える空気をつくることの重要性
これらは、APECが掲げる「持続可能な明日」とも響き合うキーワードです。制度や政策だけでなく、その根底にある価値観やマインドセットの部分を、若者が自ら語り始めているとも言えます。
なぜ今、アジア太平洋の若者対話が重要なのか
今回の清華大学での対話は、規模としては決して大きくありません。それでも意味があるのは、次のような理由からです。
- 長期的な視点を持つ世代だから
今決まる経済・環境・テクノロジーのルールの多くは、現在の若者が中年・高齢期を迎える頃まで影響を持ち続けます。その当事者である世代が議論に関わることは自然な流れです。 - 国境を越える経験が日常になりつつあるから
留学やオンラインのコミュニケーションを通じて、アジア太平洋の若者は互いを身近に感じる機会が増えています。清華大学での対話は、そうした日常的なつながりの延長線上にもあります。 - 「違い」を前提にした協力の練習になるから
価値観や政治体制、経済状況が異なる中で、どう折り合いをつけて一緒に動いていくか。その練習を若い世代のうちから重ねておくことは、将来の地域の安定にもつながります。
日本にいる私たちへのヒント
清華大学での対話に参加したのは、韓国、ベトナム、マレーシアの若者代表でしたが、そのメッセージは日本に暮らす私たちにも届きます。
- 「代表」でなくても声を上げられる
番組に登場した若者たちは「代表」として招かれましたが、日々のSNSや学校・職場での会話もまた、小さな「対話の場」です。身近なところから意見を共有することが、変化の第一歩になります。 - 国境を越える視点を意識してみる
ニュースやコンテンツに触れるとき、「これは他のアジア太平洋の地域とどうつながっているのか」と意識してみるだけで、見える風景は変わります。 - 希望を言葉にする
批判や不安を語るのは比較的簡単ですが、「こうなったらいい」という希望を具体的に言葉にするのは、意外と難しいものです。今回の番組のように、希望を語る場を増やしていくことが、次の一歩につながります。
2025年10月27日の『The Power of Youth+』で交わされた対話は、アジア太平洋の若者が「明日を自分たちで定義しよう」とする動きの一端でした。清華大学の一室で交わされた言葉は、画面を通じて地域全体に広がりつつあります。
「持続可能な明日」は、どこか遠くの会議室で決まるものではなく、日々の選択や会話の積み重ねの先にあります。APECという枠組みと、アジアの若者たちの声がどう結びついていくのか。今後の動きにも注目していきたいところです。
Reference(s):
Watch: Unity, collaboration and hope – How youth define tomorrow
cgtn.com








