上海・楓涇古鎮ライブ 水郷の暮らしとCIIEが映す「いま」の中国 video poster
上海市南西部の水郷「楓涇古鎮(Fengjing Ancient Town)」の日常を伝えるライブ配信が行われ、急速に変化する大都市・上海の中で受け継がれる伝統的な暮らしに注目が集まっています。2025年11月に上海で開かれた第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)と合わせて見ると、中国の「グローバル」と「ローカル」がどのように共存しているのかが見えてきます。
CGTNのライブ配信では、水路が張り巡らされた古鎮の風景と、そこで暮らす人びとの姿が、上海という国際都市のダイナミズムと対比しながら映し出されています。
上海南西部の水郷、楓涇古鎮とは
楓涇古鎮は上海市金山区に位置し、中国の国家級観光地である「4A級景勝地」に指定されています。上海の「南西の玄関口」とも呼ばれ、かつての呉と越の境界(Wu-Yue border)にまたがる場所にあります。
町としての歴史はおよそ1,500年以上にさかのぼり、元代に正式な「鎮」として整備されたとされています。古い街路や運河が今も残り、上海中心部の高層ビル群とは対照的な時間の流れを感じさせます。
水路と52の古橋がつくる日常風景
楓涇古鎮の特徴は、縦横に走る水路と、その上にかかる多くの橋です。町の中には52本の古い橋があり、その一つである「済河橋(Zhihe Bridge)」は元代に建てられたといわれ、約700年の歴史を持ちます。
石造りの橋が水面に影を落とし、その周りを囲む建物とあいまって、水郷ならではの景観を形づくっています。ライブ配信では、そんな風景の中を行き交う人びとの姿や、ゆっくりとした生活のリズムが切り取られています。
明・清の街並みと「中国民間絵画の里」
町には明・清代の建築がよく保存され、白壁と黒瓦の伝統的な家屋が並びます。楓涇古鎮は「金山農民画(Jinshan peasant painting)」発祥の地としても知られ、「中国民間絵画の里(Home of Chinese Folk Painting)」と称されています。
農民画とは、農村で暮らす人びとが自らの生活や自然を題材に描く素朴な絵画のことです。楓涇古鎮の空気の中でこの芸術が育まれてきたという事実は、芸術が特別な場所だけでなく、日々の暮らしの中から生まれることを物語っています。
第8回CIIEとローカルな暮らしの接点
こうしたローカルな風景が伝えられたのは、2025年11月5日から10日まで、上海で第8回中国国際輸入博覧会(China International Import Expo、CIIE)が開催されたタイミングでもありました。
名称が示す通り、CIIEは輸入をテーマにした国際的な博覧会で、中国と世界の経済やビジネスの動きを映し出す場です。会場では最新の製品やサービスが紹介される一方で、楓涇古鎮からのライブ配信は、同じ上海に根付く伝統的な暮らしと文化を世界の視線に乗せました。
なぜいま、「ローカル」を見るのか
急速な都市化と国際化が進む中で、上海のような大都市はしばしば「最先端」のイメージだけで語られがちです。しかし、楓涇古鎮のような水郷の風景を見ると、同じ都市の中に長い時間をかけて築かれてきた別のレイヤーの暮らしが存在することに気づかされます。
グローバルなイベントであるCIIEと、水路に囲まれた古い町の日常。二つの風景を並べて見ることで、「経済成長」だけでは測れない中国社会の多層性が、少し立体的に見えてきます。ニュースを見るときに、大きな出来事だけでなく、その背景にある日常の暮らしにも目を向けてみる――そんな視点を持つきっかけになるライブ配信と言えるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








