上海・Fengjing Ancient Town 水郷の古鎮が映す「もう一つの上海」 video poster
超高層ビルのイメージが強い上海ですが、その南西の玄関口には、1500年以上の歴史を持つ水郷の古い町並みが静かに息づいています。上海市金山区の観光地「Fengjing Ancient Town(フェンジン古鎮)」です。今年11月5日から10日にかけて第8回中国国際輸入博覧会(CIIE)が開かれた上海から、古鎮の魅力と現代都市との対比を見ていきます。
上海・金山区に広がる国家4A級の古鎮
Fengjing Ancient Townは、中国東部の上海市金山区に位置する国家4A級景区(高い評価を受けた観光地の格付け)です。上海の「南西の玄関口」とも呼ばれ、市中心部のダイナミックな街並みとはまた違う表情を見せます。
この古鎮の歴史は1500年以上にさかのぼるとされ、町として本格的に形づくられたのは元代と伝えられています。古代には呉と越という二つの地域の境界に位置し、地域の交流を支える場所でした。
52の古橋と水路が形づくる「水の町」
Fengjing Ancient Townの最大の特徴は、町中に張り巡らされた水路と、それらを結ぶ数多くの橋です。古鎮には52もの古い橋が残り、その一つ一つが長い時間を経てきました。
なかでも、元代に架けられたとされる「至和橋(Zhihe Bridge)」は、およそ700年の歴史を持つ橋として知られています。水面に映る石橋と古い家並みは、現代の上海中心部とは異なる時間の流れを感じさせます。
水路沿いには明・清代の建築がよく保存されており、白い壁と黒い瓦屋根が連なる風景は、典型的な水郷の景観を思わせます。散策するだけで、歴史の重なりを感じられる空間です。
- 歴史:1500年以上の歴史を持ち、元代に町として成立
- 地理:古代の呉越の境界に位置
- 橋:52の古橋が水路を結び、代表格が約700年前の至和橋
- 街並み:明・清代の建築が良好な状態で残る
「中国民間絵画の里」金山農民画のふるさと
Fengjing Ancient Townは、「金山農民画(Jinshan peasant painting)」の発祥地としても知られています。農民による絵画活動から発展し、「中国民間絵画の里(Home of Chinese Folk Painting)」と呼ばれるようになりました。
古い町並みと水路の景観、そこで続く人びとの暮らしが、こうした民間の芸術表現を生み出してきたともいえます。歴史ある空間の中で育まれた文化が、現在のFengjing Ancient Townの大きな魅力の一つになっています。
ライブ配信で伝えられた「水郷の日常」
今年、Fengjing Ancient Townからは、水郷の暮らしを紹介するライブ配信も行われました。観光地としての華やかさだけでなく、橋を行き交う人びとや、水路沿いで営まれる日々の生活の様子が映し出され、よりリアルな古鎮の空気に触れられる試みでした。
こうしたオンラインでの発信は、上海のダイナミックなイメージの陰に隠れがちな周辺地域の魅力に光を当てるものでもあります。都市と地域、歴史と現在をつなぐ窓口として、Fengjing Ancient Townは新たな役割を担い始めているといえます。
中国国際輸入博覧会と「もう一つの上海」
今年11月5日から10日にかけて、中国東部の上海では第8回中国国際輸入博覧会(China International Import Expo/CIIE)が開催されました。輸入をテーマにした国際的な博覧会で、上海は世界とつながる大都市として注目を集めました。
一方で、その上海の「南西の玄関口」にあたるFengjing Ancient Townでは、全く違う時間の流れが続いています。国際イベントのにぎやかな雰囲気とは対照的に、水路と古い橋、石畳の路地が、長い歴史の蓄積を静かに物語っています。
国際的なビジネスの舞台としての上海と、水郷の古鎮としてのFengjing。この二つの顔をあわせ持つことが、都市・上海の厚みであり、中国の多様さを実感させる視点にもなりそうです。
Reference(s):
Live: Discover the charm of Shanghai's Fengjing Ancient Town – Ep. 4
cgtn.com








