南中国・深圳OCT East 山と海が出会うスポーツと自然の聖域 video poster
南中国・深圳の沿岸エリア、塩田区の大梅沙が、第15回全国運動会の競技ゾーンにおける中核的な観光ハブとして注目されています。とくに、約9平方キロに広がる山海リゾート「OCT East」は、豊かな生態環境をいかしながら「National Games for All(全民の国運会)」という理念を体現しようとしている場所です。
広東ラジオ・テレビのライブ配信「LIVE Guangdong」では、OCT Eastが山と海のサンクチュアリ(聖域)として紹介され、自然とスポーツの共生モデルとしての姿が伝えられました。
山と海が隣り合う塩田大梅沙
塩田大梅沙は、南中国・深圳の東部に位置する沿岸エリアで、山の斜面が海へと落ち込むダイナミックな地形が特徴とされています。海岸線に沿ってリゾートエリアが広がり、その内側に山や湖、森が入り組むように配置された構造は、国際ニュースでも注目されやすい景観です。
第15回全国運動会の競技ゾーンにおいて、このエリアは観戦に訪れる人びとが自然を楽しみながら滞在できる拠点と位置づけられています。競技会場と観光・休養空間を近接させることで、大規模スポーツイベントの非日常と、沿岸都市の日常生活とをつなぐ試みでもあります。
OCT East:森が湖を縫う山海リゾート
塩田大梅沙の中核となるのが、約9平方キロにおよぶ山海リゾート「OCT East」です。森林が湖のあいだを縫うように広がり、山の緑と水辺の青が重なる風景は、ライブ映像からも強い印象を与えます。
ライブ配信では、OCT Eastは単なるホリデーリゾートではなく、自然そのものをスポーツの舞台とする場所として描かれました。舗装されたスタジアムの内側だけでなく、海岸線や山の斜面、森の小径など、もともとの地形と生態を活かした空間で体を動かすイメージです。
こうしたアプローチは、自然保護と観光開発がどう共存できるのかという、今の時代ならではの問いともつながります。人工的な施設を増やすのではなく、もともとある山・海・森・湖の魅力を引き出し、そこにスポーツという要素を重ねていく発想です。
「National Games for All」が示すもの
今回の全国運動会をめぐって掲げられているキーワードが「National Games for All」です。直訳すれば「すべての人のための国運会」。競技のために選ばれたトップ選手だけの祭典ではなく、観客や地元住民を含む多くの人がスポーツに参加し、楽しむ場であるべきだというメッセージが込められていると考えられます。
自然豊かなOCT Eastを舞台にすることで、この理念は次のような形で具体化されていきます。
- 競技を観戦するだけでなく、観戦の前後に海辺や山で体を動かす経験を重ねられること
- 世代や運動レベルを問わず、誰もがアクセスしやすい屋外空間を用意すること
- スポーツを観光のオプションではなく、滞在の中心的な体験として位置づけること
こうした発想は、大規模イベントを「見るスポーツ」から「参加するスポーツ」へと転換していく動きとも重なります。
環境とスポーツをどう両立させるか
一方で、自然環境を舞台に人の往来が増えれば、その分だけ生態系への負荷が高まるリスクもあります。山道の浸食や海岸のゴミ問題などは、世界中の観光地が直面している課題です。
OCT Eastのような山海リゾートが自然とスポーツの共生モデルとして注目されるのは、まさにこのバランスに挑戦しているからだと言えます。利用者に対するマナーの啓発や、入場者数のコントロール、保全エリアの設定など、開発と保護を両立させるための工夫が今後よりいっそう重要になっていきます。
2025年現在、世界各地でサステナブルツーリズム(持続可能な観光)への関心が高まるなか、深圳の事例は、アジアの沿岸都市がどのように自然とスポーツを組み合わせていくのかを考える一つのヒントになりそうです。
日本への示唆:身近な自然をスポーツの場に
日本でも、海岸や里山、河川敷など、身近な自然空間をランニングやサイクリング、アウトドア活動と結びつける動きが広がっています。深圳・塩田大梅沙の取り組みは、次のような問いを私たちに投げかけます。
- 観光客だけでなく、地域の住民が日常的に使える開かれたスポーツ空間になっているか
- 自然を消費するのではなく、次の世代に引き継ぐ形で活用できているか
- 大規模イベントの後も、施設や環境が地域の資産として生かされ続ける設計になっているか
国際ニュースとして伝えられる深圳の山海リゾートは、単なる映える景色以上の意味を持ち始めています。自然とスポーツ、観光と日常、イベントと生活──そのあいだをどう橋渡しするかは、日本を含む多くの都市が共有する課題でもあります。
南中国の海と山に囲まれたOCT Eastでの試みは、これからのアジアの都市づくりとスポーツ文化を考えるうえで、静かに注目しておきたい動きだと言えるでしょう。
Reference(s):
Live: Shenzhen's mountain-sea sanctuary – where nature meets sport
cgtn.com








