広東省 小鳥天堂 一本のガジュマルが生んだ鳥の楽園 video poster
川の中の小さな土盛りから、一本のガジュマルがつくる鳥の楽園へ。中国本土・広東省江門市の自然保護区「小鳥天堂(Bird Paradise)」が、第15回全国運動会をきっかけに改めて注目を集めています。
広東省江門市の小鳥天堂とは
中国本土南部の広東省江門市にある小鳥天堂は、天然の野鳥保護区として知られ、野鳥観察を楽しむ人々に人気のスポットです。川の中州に浮かぶように広がる緑は、都市部から訪れる人にとって貴重な憩いの場にもなっています。
広東ラジオテレビが制作するライブ配信シリーズ Live Guangdong では、Live: Explore Bird Paradise in Guangdong Province, S China Ep.2 というタイトルで現地の様子が伝えられました。画面越しにも、無数の鳥たちが行き交うにぎやかな気配が感じられます。
- 場所: 広東省江門市の川の中州にある自然保護区
- 特徴: 一本の巨大なガジュマルが生い茂り、多くの野鳥が集まる
- 歴史: およそ380年以上前から形を変えながら残る景観
- 背景: 作家 巴金の随筆「鳥的天堂」の舞台として知られる
一本のガジュマルから生まれた楽園
今でこそ緑豊かな小島のように見える小鳥天堂ですが、約380年前には、川の中にぽつんと浮かぶ泥の小さな盛り上がりと、一本のガジュマルの木があるだけの場所だったとされています。
長い年月をかけて土砂が堆積し、ガジュマルの枝や根が四方八方に広がることで、現在ではその枝葉が一万平方メートル以上を覆うまでになりました。サッカーグラウンド数面分に相当する広さの木陰が、水辺に大きな日傘を広げているような光景です。
この一本の木には、今では数万羽とも言われる鳥がとまり、ねぐらとしています。その姿から、地元では「一樹一天堂」という言葉が生まれました。一本の木そのものが、小さな鳥たちにとっての楽園だという意味です。
作家 巴金が世界に伝えた小鳥天堂
小鳥天堂の名を広く知らしめたのは、1933年にこの地を訪れた作家 巴金でした。彼は船で川を進みながら、川面に映るガジュマルの大樹、群れ飛ぶ鳥たちの姿や鳴き声に強い感銘を受けます。
その体験をもとに書かれた随筆「鳥的天堂」は、一本の木と鳥たちがつくる景色の豊かさを描き出し、小鳥天堂という場所を多くの人の心に刻みました。文学作品を通じて、一つの自然の風景が人々の心象風景になっていく過程は、今の観光の在り方を考えるうえでも示唆に富んでいます。
第15回全国運動会で江門市に注目
2025年現在、江門市は第15回全国運動会の開催都市の一つとなっており、都市そのものへの注目度が高まっています。全国運動会は多くの競技が行われる総合スポーツ大会で、開催地には中国本土各地から選手や観客が集まります。
現地の報道によると、この動きに合わせて小鳥天堂にも多くの観光客が足を運んでいるとされています。スポーツイベントをきっかけに、その土地の自然や文化に触れる機会が広がっているとも言えます。
自然と観光のバランスをどうとるか
一本のガジュマルと無数の鳥たちがつくる小鳥天堂の景色は、観光資源であると同時に、繊細な生態系でもあります。人が訪れることで、その魅力が広く共有される一方、野鳥に負担をかけない配慮も欠かせません。
一般的な野鳥観察では、次のようなマナーが大切だとされています。
- 大きな音を立てず、静かに観察する
- 鳥にえさを与えたり、無理に近づいたりしない
- ゴミを持ち帰り、自然環境を傷つけない
江門市の小鳥天堂のように、長い時間をかけて育まれた自然の風景が、スポーツイベントや文学作品を通じて多くの人とつながっていく。この流れをどう持続可能なものにしていくかは、国際ニュースや環境政策を考えるうえでも共有しておきたいテーマです。
もし小鳥天堂の映像や写真を見る機会があれば、鳥たちのにぎやかな声の向こうに、何百年もかけて形づくられてきた時間の厚みを思い浮かべてみるのも良さそうです。
Reference(s):
Live: Explore 'Bird Paradise' in Guangdong Province, S China – Ep. 2
cgtn.com








