KOLはどう文化をつなぐ?ガーナとインドネシアに見る新しい影響力 video poster
一つの動画が数百万人に届く時代、KOL(Key Opinion Leader)は文化と文化をつなぐ重要な存在になりつつあります。本記事では、番組「Global South Next Gen: Voices and Visions」で紹介されるガーナとインドネシアのKOLの事例を手がかりに、これからの影響力の使い方を考えます。
KOLとは何か:インフルエンサーとの違い
KOLは「キー・オピニオン・リーダー」の略で、特定の分野やコミュニティで信頼される発信者を指します。フォロワー数そのものよりも、「この人が言うなら聞いてみよう」と思われる信頼や専門性が重視されます。
2025年現在、SNS上ではインフルエンサーと呼ばれる人も増えていますが、KOLは「注目を集める人」というより、「考え方や価値観に影響を与える人」という側面が強いと言えます。
ガーナとインドネシアのKOLが示す、文化をつなぐ発信
国際番組「Global South Next Gen: Voices and Visions」では、ガーナとインドネシア出身の2人のKOLが取り上げられています。彼らは創造性と共感、そして「人々が少しでもお互いを理解できるようにしたい」という共通の思いをもって活動しているとされています。
ガーナやインドネシアといったグローバルサウスの地域から発信されるストーリーは、日本を含む他地域の視聴者にとって、日常では触れにくい視点を届ける役割を果たします。短い動画や投稿を通じて、自分たちの社会が抱える課題だけでなく、ユーモアや音楽、家族や友人との時間など、身近な喜びも共有することができます。
創造性:ストーリーで距離を縮める
一つの映像が世界中に届く時代、KOLに求められるのは「情報の多さ」よりも、「どんな物語として届けるか」です。日常の一コマを物語として切り取り、背景にある歴史や価値観を丁寧に説明することで、遠く離れた国同士の心理的な距離はぐっと縮まります。
共感:相手の立場に立って語る
ガーナやインドネシアをはじめとする多くのKOLは、自分の経験だけでなく、視聴者の不安や疑問にも目を向けようとしています。コメント欄で寄せられた質問に対話的に答えたり、「自分も最初は分からなかった」といった失敗談を共有したりすることで、「わたしたちはとても違うが、同時に驚くほど似ている」という実感を生み出すことができます。
一つの動画が数百万人に届く時代の責任
数分の動画が世界中で再生される今、KOLの影響力はこれまで以上に大きくなっています。その力を「よりよく」使うためには、次のような視点が重要になります。
- 文脈を補う:文化や宗教、歴史が関わる話題では、「なぜそうなっているのか」という背景をできる範囲で説明する。
- 対立をあおらない:クリックされやすい単純な対立構図に頼らず、異なる立場の人の声も紹介する。
- 情報を確かめる:数字や引用を扱うときは、出典を確認し、誤解をそのまま広げないようにする。
- 一方向ではなく対話に:コメントやメッセージを通じて、視聴者との双方向のやりとりを大事にする。
視聴者としてのわたしたちにできること
KOLの発信は、視聴者の受け取り方によっても意味が変わります。日本語で国際ニュースや海外のコンテンツに触れる私たちにも、次のような工夫ができます。
- 複数の地域や立場のKOLをフォローし、一つの視点に偏らないようにする。
- 心に残った動画や投稿をシェアするときは、「なぜ共感したのか」を一言添えて共有する。
- 分からない点があれば、そのままスルーせずに調べたり、丁寧に質問を投げかけたりする。
これからのKOLは「文化の通訳者」になれるか
ガーナやインドネシアのKOLたちが示すように、創造性と共感、そして他者理解へのまなざしがあれば、短い動画でも文化の橋渡しは可能です。一つの動画が数百万人に届く時代だからこそ、その影響力を恐れるのではなく、「どう使えば人と人をつなげられるか」を問い直すことが求められています。
2025年の今、SNSで流れてくる次の一本の動画を、単なる娯楽として消費するのか、それとも世界を少しだけ違う角度から見るきっかけにするのか。選ぶのは、KOLだけでなく、私たち一人ひとりの側でもあります。
Reference(s):
cgtn.com








