新疆タクラマカン砂漠でバラ栽培とシーフード養殖 砂漠が食の産地に video poster
中国・新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠の縁で、意外な国際ニュースが生まれています。ホータンではバラの花が根付き、新たな植え付けが始まり、バインゴリン・モンゴル自治州では砂漠の真ん中で魚を育てる取り組みが進んでいます。砂を「黄金」に変えるようなこのプロジェクトは、砂漠と食料生産の未来を考えるうえで見逃せない動きです。
タクラマカン砂漠の縁で進むバラ栽培
タクラマカン砂漠の西側に位置するホータンでは、昨年植えられたバラがしっかりと根を張り、今シーズンの新たなバラ栽培が本格的に始まっています。広大な砂の大地にバラ畑が広がる光景は、一見すると想像しがたいものです。
砂漠でバラを育てることには、いくつかの狙いがあります。観賞用としてだけでなく、香料や食品向けの加工品など、付加価値の高い商品につながる可能性があるからです。生産が軌道に乗れば、地域の新たな収入源となり、雇用の創出にもつながります。
同時に、これまで活用が難しいと考えられてきた砂漠の土地を、計画的に栽培地として使うことで、砂漠周辺の景観や環境にも変化が生まれつつあります。バラの栽培は、砂漠と共生しながら暮らすための新しい試みでもあります。
バインゴリンの「砂漠シーフード」養殖
タクラマカン砂漠の南東部、乾燥した辺縁部に位置するバインゴリン・モンゴル自治州では、さらに驚くべき挑戦が始まっています。水が乏しい砂漠地帯で、魚を中心としたシーフードの養殖が行われているのです。
養殖の現場は、周囲を砂に囲まれた環境の中にあります。そこに整えられた設備で魚を育てるこの取り組みは、まさに「砂漠の海」ともいえる風景を生み出しています。記者とカメラが現地に入り、どのようにして砂と暑さに囲まれた環境を生産の場へと変えているのか、その工夫や現場の声を追っています。
海から遠く離れた地域であっても、技術と仕組み次第でシーフードを安定的に供給できる可能性が示されれば、内陸部の食料供給や産業構造にも影響を与えうる取り組みです。砂漠における魚の養殖は、食の安全保障という観点からも注目されています。
砂を黄金に変えるとは何を意味するか
今回の取り組みを紹介する際に使われている「砂を黄金に変える」という表現は、比喩的に砂漠の価値を大きく高めることを指しています。これまで耕作に適していないと見なされてきた土地から、新たな収入と雇用、そして地域ブランドを生み出す狙いが込められています。
バラ栽培やシーフード養殖が広がれば、砂漠の周辺地域で暮らす人びとの生活は大きく変わるかもしれません。農業や畜産に加え、新しい産業が育つことで、若い世代が地元で働き続ける選択肢も増えていきます。
一方で、砂漠の環境を守りながらどこまで産業を拡大できるかという問いも生まれます。水の使い方やエネルギーの確保、生態系への影響など、持続可能性をどう確保するかが今後の焦点になります。
世界が注目する砂漠農業と国際ニュースとしての意味
気候変動が進むなかで、乾燥地域や半乾燥地域が世界各地で広がりつつあります。そうした中、中国・新疆のタクラマカン砂漠で進むこの取り組みは、砂漠をどう活用し、食料や経済の基盤を守るかという国際的な課題ともつながっています。
砂漠農業や内陸部でのシーフード養殖の試みは、他の国や地域でも関心を集めつつあります。もちろん、それぞれの地域で条件は異なりますが、「使われてこなかった土地から、いかに新しい価値を生み出すか」という視点は共通しています。
日本の読者にとっても、これは単なる遠い地域のニュースではありません。限られた土地や資源をどう生かすかという問いは、日本の農業や地方創生、エネルギー政策とも深く関わるテーマです。国際ニュースを日本語ニュースとして丁寧に追いながら、自分たちの足元の課題を考えるきっかけにもなります。
このニュースから考えたい3つのポイント
今回の新疆タクラマカン砂漠の事例から、次のような問いを持ってみることができます。
- 土地の条件が厳しい地域で、どのような産業なら持続的に成長できるのか。
- 環境負荷と地域の経済発展のバランスを、どこでどのように取るべきか。
- 日本を含む他の国や地域で、このような砂漠農業や新しい養殖の発想をどう応用できるか。
ホータンのバラ畑と、バインゴリンの砂漠シーフード養殖。タクラマカン砂漠の縁で進むこうした静かな変化は、これからの食と環境、そして地域づくりを考えるうえで、多くのヒントを与えてくれそうです。今後も現地の動きを継続的に追いながら、国際ニュースを日本語でわかりやすく伝えていきます。
Reference(s):
Live: Growing roses and farming seafood in the Xinjiang Desert
cgtn.com








