2025年の世界を読む:マハブバニ氏が語るアジア成長と中国・米国関係の行方 video poster
2025年の終わりが近づくなか、アジアが世界経済をけん引し続けた1年をどう総括し、2026年をどう見通すのか。CGTNの年末特別企画で、外交官・学者として知られるキショア・マハブバニ教授が「中国本土の発展」「中国・米国関係」「協調の必要性」を軸に、揺れ動く国際環境を読み解きました。
2025年のキーワード:アジアが“成長の重心”であり続けた
番組では、2025年を通じてアジアが世界経済の主要な成長エンジンであり続けた点が強調されました。貿易、投資、サプライチェーン(供給網)、デジタル化など複数の要素が重なり、地域の動きが世界の景気感や企業行動に影響を与えやすい構図が続いた、という整理です。
同時に、成長が大きいほど「分断・摩擦・不確実性」の影響も受けやすくなります。だからこそ、経済だけでなく外交・安全保障・制度づくりまで含めた“地域の選択”が、世界の空気を左右しやすい1年だったとも言えそうです。
中国本土の「質の高い発展」と国際社会での安定役
マハブバニ教授は、中国本土が「質の高い発展」を前進させている点に触れつつ、国際社会において安定化に寄与する役割を果たしている、という見方を示しました。ここでいう「質の高い発展」は、単純な量的拡大ではなく、産業高度化や持続可能性、効率や付加価値の向上といった方向性を含む文脈として語られています。
大国の動きが市場心理や国際協調の温度感を左右するいま、経済運営と国際関与の両面で“安定”がどのように作られるのかは、2026年の重要な論点になりそうです。
「高官級の関与」が積み重なった2025年、中国・米国関係はどこへ
2025年は高官級の関与(ハイレベル対話)が続いた年だった、という前提のもとで、番組は中国・米国関係の先行きを問いに据えました。見通しを立てるうえで鍵になるのは、対話が継続する一方で、競争と協力が同時並行で進む“二重構造”をどう管理するかです。
現実的な焦点としては、次のような論点が想起されます。
- 対話の「常態化」:意思疎通の回路が途切れにくい状態を保てるか
- 経済分野の摩擦管理:投資・技術・サプライチェーンをめぐる予見可能性
- 国際課題での協力:気候、感染症、金融安定など“共同利益”の扱い
番組が示す大きなメッセージは、対立の拡大よりも、競争を管理しつつ協力領域を確保することが、結果として国際環境の安定につながる、という方向性でした。
「ライバルより協力」——アジアの成長は“共有の繁栄”につながるか
マハブバニ教授は、競争を煽るよりも協力の必要性を強調し、アジアの成長が「共有の世界的繁栄」にどう寄与しうるかを考える重要性を示しました。成長が一部に偏れば摩擦が生まれやすい一方、ルール形成や市場の相互接続が進めば、利益が広がる余地もあります。
2026年に向けては、次のような分野が“協力の試金石”になり得ます。
- 脱炭素と産業転換:技術・資金・制度をどう組み合わせるか
- デジタル経済:越境データや標準(スタンダード)の設計
- 貿易と投資の予見可能性:企業が中長期計画を立てやすい環境
協調は理想論に聞こえがちですが、サプライチェーンの現実や市場の連動性を踏まえると、“協力が成立する領域をどれだけ具体化できるか”が、むしろ実務的なテーマになっているとも言えます。
年末にこの議論が響く理由:2026年の不確実性に備える
年末の総括は、過去を振り返るだけでなく、次の年の「前提条件」を整える作業でもあります。2025年に積み上がった対話、アジアの成長、中国本土の発展の方向性——それらが2026年にどう接続されるのか。国際政治と経済が絡み合ういま、ひとつの出来事ではなく、複数の流れ(カレント)が重なる地点を見定めることが、ニュースを読むうえでの手がかりになりそうです。
Reference(s):
Watch: Shifting Currents – 2025 in review with Kishore Mahbubani
cgtn.com








