ミラノ・コルティナ五輪開催中、中国本土の「氷雪経済」が次の成長局面へ video poster
2月6日に開幕したミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック(2月22日まで)は、競技の熱狂だけでなく、世界の氷雪(アイス&スノー)産業に新しい成長サイクルを促す出来事としても注目されています。中国本土でも、ウィンタースポーツが「大会の追い風」から一歩進み、日常の需要・参加人口・産業の高度化へと軸足を移しつつあります。
「イベント後」を見据えた動きが強まる
冬季スポーツは、大会や大型連休など“山”がある一方で、継続的な市場づくりが難しい分野でもあります。ところが2026年に入り、少なくとも中国本土では、関心の高まりを一過性にせず、次の需要をつくる動きが目立ちます。
- 参加のハードルを下げる:初心者向けレッスン、ファミリー層向けの短時間プランなど
- 体験の多様化:滑走だけでなく、雪遊び・温泉・食・ライトアップなどを組み合わせた滞在型
- “買う理由”の明確化:レンタルと購入のすみ分け、アフターサービス強化など
裾野が広い「氷雪経済」:3つの現場
氷雪経済(アイス&スノー経済)の特徴は、競技人口だけでなく、観光・製造・サービスが連動して雇用と投資を生みやすい点です。いま伸びしろが語られやすいのは、次の3領域です。
1)スキー場は「目的地」へ:設備更新と通年化
リゾート側は、リフトや人工降雪などの設備投資だけでなく、アクセス改善、宿泊の快適性、混雑の見える化といった運営面のアップデートが鍵になります。冬だけに依存しない「通年型」の設計も、収益を安定させるうえで重要です。
2)用具・関連製造:需要の継続が品質を押し上げる
市場が広がるほど、板・ブーツ・ウェアに加え、保護具や子ども向け製品など周辺領域も厚くなります。継続需要が見込めれば、設計・素材・生産の改善が進み、国内外のサプライチェーンにも波及しやすくなります。
3)冬の観光:地方経済に“長い季節”をつくる
冬の旅行は「目的が明確」になりやすく、地域の交通、飲食、小売、体験型サービスまで幅広く需要を呼び込みます。特に滞在が1泊増えるだけで消費構造が変わるため、地域にとっては“短いピーク”より“長い季節”の設計が課題になります。
長期エンジン化の条件は「安全・人材・環境」
氷雪経済を持続的な成長にするには、参加者の裾野を広げるだけでなく、リスクとコストを丁寧に管理する必要があります。ポイントは大きく3つです。
- 安全:救護体制、ルールの徹底、初心者エリアの設計
- 人材:インストラクター、整備、運営、接客の育成と定着
- 環境:エネルギー効率、水資源、自然環境への配慮(人工降雪を含む)
成長が速いほど、こうした土台づくりが追いつくかどうかが、次の信頼とリピートを左右します。
ミラノ・コルティナ開催中の今、世界市場はどう動く?
きょう2月11日時点で大会は会期の途中にあります。注目は、競技の話題がピークを迎えるこの時期に、各地の事業者が「大会が終わった後の需要」をどう設計するかです。中国本土の氷雪経済は、参加の拡大→産業の高度化→観光の定着という循環を目指す局面に入りつつあり、世界の冬季産業にとっても一つの参照点になりそうです。
熱狂が去った後に残るのは、施設と人、そして“次もやりたい”という日常の動機です。いま各地で進む取り組みは、その動機をどう育てるかという、静かな競争でもあります。
Reference(s):
Live: Beyond the Games – How China's ice + snow economy is heating up
cgtn.com








