日本の出生数、2024年に初の70万人割れへ 止まらない人口減少を読み解く
日本の出生数が2024年に、統計開始以来初めて70万人を下回る見通しであることが、厚生労働省のデータから示されました。少子化と人口減少が続く日本で、いま何が起きているのかを整理します。
2024年の出生数、統計開始以来初の「70万人割れ」見通し
報道によると、2024年1〜6月の日本の出生数(外国人を除く)は32万9,998人で、前年同期比6.3%減となりました。このペースが続けば、年間の出生数は70万人を下回る可能性が高いとみられています。
厚生労働省が8月に公表した速報値では、外国人や海外在住の日本人の出生を含めた赤ちゃんの数も、同じく1〜6月で35万74人となり、前年同期比5.7%減の過去最低を更新しました。
ポイントを整理すると、次のようになります。
- 2024年上半期の出生数(日本国内・外国人除く):32万9,998人(前年同期比マイナス6.3%)
- 外国人や海外在住の日本人を含む出生数(速報値):35万74人(前年同期比マイナス5.7%)
- このまま推移すれば、年間出生数は70万人を割り込む見通し
自然減は約47万人 人口減少のスピードが加速
出生数の減少と対照的に、死亡者数は増えています。2024年1〜6月の死亡者数は80万274人で、前年より1.8%増加しました。その結果、半年間での自然減(出生数から死亡数を引いた人口の減少)は47万276人に達しました。
すでに日本の人口は減少局面が続いており、2023年には15年連続で人口が減少しました。2024年上半期の数字は、その流れが一段と強まっていることを示しています。
結婚の多様化と晩婚化 「産まない・遅く産む」という選択
厚生労働省のデータは、ここ数年、出生率が記録的な低水準で推移していることを反映しています。報道では、その背景として、次のような変化が指摘されています。
- 結婚を選ばない人が増えている
- 結婚そのものを遅らせる人が多い
- 結婚しても、子どもを持つ時期を後ろ倒しにする傾向がある
ライフスタイルや価値観が多様化する中で、「結婚しない」「子どもは持たない」という選択も社会に広がっています。一方で、結婚や出産を望んでも、仕事や収入、住まいなどの理由から踏み切れない人も少なくありません。
政府は「2030年代前半がラストチャンス」と位置づけ
人口減少が続く中で、日本政府は出生率の反転を大きな政策課題としています。報道によると、政府は2030年代前半ごろまでを、少子化を食い止めるための「ラストチャンス」と捉えています。
具体的には、次のような対策が進められているとされています。
- 児童手当などの子育て関連の給付を拡充する
- 育児休業を取得した人への給付を手厚くする
- 子育てと仕事を両立しやすくするための環境整備を進める
こうした施策は、結婚や出産にともなう経済的不安を和らげることを狙ったものです。ただし、数字として表れるまでには時間がかかるとみられ、出生数の大幅な持ち直しにつながるかは、今後も注視が必要です。
少子化は「個人の選択」だけの問題ではない
出生数の減少は、一人ひとりの人生設計や価値観の積み重ねの結果でもあります。そのため、「もっと子どもを産むべきだ」といった単純な議論では解決しません。
一方で、人口が減り続ける社会では、次のような変化が起こりうると考えられます。
- 学校や公共交通など、地域のインフラ維持が難しくなる
- 働き手の減少により、産業構造や働き方の見直しが進む
- 高齢者を支える世代の負担の在り方を問い直す必要が出てくる
こうした変化は、子どもがいるかどうかにかかわらず、社会全体の課題として共有されます。少子化・人口減少をめぐるニュースは、将来の税・社会保障、地域の姿、働き方など、自分自身の暮らし方を考えるヒントにもなります。
これから私たちが考えたいこと
2024年の出生数が70万人を割り込む見通しとなったことは、日本社会にとって一つの節目と言えます。人口減少のカーブを急に反転させるのは簡単ではありませんが、次のような視点から、社会全体で議論を深めていくことが求められます。
- 子育て世代が「無理なく子どもを持てる」環境づくりは十分か
- 非正規雇用や長時間労働など、生活基盤を不安定にする要因をどう減らすか
- 都市と地方で暮らしやすさに大きな差がある現状をどう埋めるか
少子化は、一つの世代だけの問題でも、特定の人だけの問題でもありません。今回の数字をきっかけに、自分ならどんな社会を望むのか、身近な人と話し合ってみることも、一つのスタートになるかもしれません。
Reference(s):
Japan's births 'likely to dip below 700,000' for 1st time in 2024
cgtn.com







