韓国・済州島沖で漁船沈没 2人死亡、12人行方不明のまま
韓国南部の観光地として知られる済州島(チェジュ島)沖で漁船が沈没し、2人が死亡、12人が行方不明となっています。韓国当局は海洋警察や海軍を総動員し、現在も捜索と救助活動を続けています。
- 129トン級の漁船が済州島南方の海域で沈没
- 乗組員27人のうち、2人が死亡、12人が行方不明
- 韓国海洋警察と海軍が多数の船舶と航空機で大規模捜索
何が起きたのか
事故が起きたのは金曜日の未明とされています。韓国・済州海洋警察によると、午前4時30分ごろ、近くを航行していた別の船が129トン級の漁船が沈みつつあるのを確認し、通報しました。この通報を受け、当局が直ちに救助活動を開始しました。
沈没した漁船には当時27人が乗っていました。このうち15人が救助されましたが、救助された韓国人2人は病院に搬送された後に死亡が確認されました。残る12人は依然として行方が分かっておらず、そのうち2人はインドネシア出身だとされています。
救助された乗組員の1人は、韓国の通信社である聯合ニュースに対し、船は漁獲物を別の船に移すため、網を引き上げていた際に転覆したと証言しています。事故の詳しい原因については、今後、当局が生存者への聞き取りなどを通じて調べる方針です。
大規模な捜索・救助活動
済州海洋警察のChung Moo-won(チョン・ムウォン)氏によると、現場海域には合計43隻の船舶が投入されています。その内訳は、海洋警察や関係機関の船舶に加え、韓国海軍の艦艇3隻が含まれています。
さらに、上空からの捜索のために13機の航空機が投入され、深い海域での捜索を行うための潜水士も派遣されています。海上と空からの捜索を組み合わせ、わずかな手がかりも見逃さない体制が取られている状況です。
Chung氏はテレビでの会見で、行方不明者の家族に弔意を示したうえで、「遺族の皆さまにお悔やみを申し上げるとともに、利用可能な全ての救助装備と資源を総動員し、行方不明者の捜索に最善を尽くす」と強調しました。
乗組員と国際的な側面
今回の漁船沈没事故では、韓国人だけでなく、外国出身の乗組員も乗っていたことが明らかになっています。行方不明となっている12人のうち2人はインドネシア出身とされています。
漁業の現場では、国境を越えて働く人々が多く、乗組員の構成が国際的になることも珍しくありません。今回の事故も、そうした国際的な労働環境の中で起きた海難事故の一つといえます。
韓国政府の対応
韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は、行方不明者の救出を最優先とするよう指示しました。大統領府によると、尹大統領は関係機関に対し、利用可能な全ての資源を投入する一方で、救助にあたる隊員の安全確保にも万全を期すよう求めています。
また、韓悳洙(ハン・ドクス)首相は、夜間の捜索活動を支援するため、国防省に対して信号弾や航空機の追加提供を要請しました。夜間の海上捜索は視界が悪く危険も増すため、照明や信号弾は重要な装備となります。
浮かび上がる海上安全の課題
今回の事故は、漁業が依然として危険と隣り合わせの産業であることを改めて示しています。証言によれば、漁獲物を移すために網を引き上げていた最中に船が転覆したとされており、作業中のバランスや積載状態、天候や波の状況など、さまざまな要因が絡み合った可能性があります。
現時点で事故の直接的な原因は特定されていませんが、
- 作業中の安全手順の徹底
- 船体や装備の点検・整備
- 悪天候時の運航判断
- 乗組員への教育や訓練
といった基本的な安全対策の重要性が、改めて問われることになりそうです。
これからの焦点
今後の焦点は大きく二つあります。一つは、行方不明となっている12人の捜索がどこまで進むかという点です。時間の経過とともに捜索は難しくなりますが、韓国当局は捜索範囲を広げながら活動を継続するとみられます。
もう一つは、事故原因の究明です。生存者への聞き取りや、当時の気象・海象条件、船体の状況などを総合的に分析し、同様の事故を防ぐためにどのような対策が必要かが検証されることになります。
海上での事故は、一度起きてしまうと被害が大きくなりがちです。今回の済州島沖の漁船沈没事故は、乗組員の安全確保や国際的な労働環境を含め、私たちに多くの問いを投げかけています。
Reference(s):
2 dead and 12 missing after fishing boat sinks off South Korean island
cgtn.com







