北ガザで住民の避難続く イスラエル軍が攻勢強化、レバノンにも空爆
イスラエル軍がガザ地区北部で地上作戦と空爆を強め、住民に対する新たな避難命令を出したことで、多くの家族が再び住み慣れた場所を後にしています。パレスチナ側は「民族浄化」だと強く非難し、レバノンでもイスラエルとヒズボラの戦闘が続くなど、中東全体の緊張が高まっています。
ガザ北部で続く攻勢と新たな避難
報道によると、木曜日、イスラエル軍はガザ地区全域で砲撃と空爆を一段と強め、新たな避難指示を出しました。これにより、すでに何度も避難を繰り返してきた北部ガザの人々の間で、今回は「もう戻れないのではないか」という不安が広がっています。
避難所となった学校を空爆、少なくとも10人死亡
パレスチナの保健当局によりますと、ガザ市のシャティ難民キャンプにある学校が、避難民を受け入れていた最中にイスラエル軍の空爆を受け、少なくとも10人が死亡し、複数が負傷しました。もともと教育の場である学校が避難所となり、その避難所自体が攻撃の対象となる構図は、ガザにおける民間人の脆弱さを象徴しているように見えます。
ベイトラヒヤで戦車前進、繰り返される避難
北部のベイトラヒヤでは、イスラエル軍の戦車部隊が新たな攻勢の一環として前進を続けています。作戦開始から約1か月が経つ中で、数多くの家族が列を成して地域を離れたと伝えられています。
ある男性は通信アプリを通じてロイター通信に「アフマド」とだけ名乗り、次のように語りました。「ジャバリアの人たちのほとんど、あるいは全員を追い出したあと、今はあらゆる場所を爆撃している。道路でも家の中でも人が殺されていて、みんなを追い出そうとしている」と、自身の恐怖と怒りを訴えています。
パレスチナ当局は、こうした動きを「民族浄化」の一環だと主張しています。また、作戦が始まった10月5日以降、ジャバリアやベイトラヒヤ、ベイトハヌーンには人道支援が一切届いていないとしています。支援物資が途絶えるなかでの避難は、人々の生活基盤をさらに追い詰めているといえます。
イスラエル軍は「ハマス掃討」と説明
イスラエル軍は、ジャバリアを「一掃」し、さらに隣接するベイトラヒヤの掃討に踏み切ったのは、同地域で再結集したとするハマス戦闘員と戦うためにやむを得ない措置だと説明しています。一方で、アフマド氏の証言やパレスチナ当局の批判は、こうした軍事行動が現地の住民に深刻な影響を与えていることを浮かび上がらせています。
レバノンでも続くイスラエルとヒズボラの戦闘
同じ木曜日、イスラエルとヒズボラの戦闘はレバノン領内でも続いています。レバノンの国営通信社National News Agencyによりますと、イスラエルによる空爆で少なくとも8人が死亡し、22人が負傷したと報じられています。
バールベック近郊のハルフーシュ地区では、空爆により1人の女性が死亡しました。また、南部のシドン近くの軍検問所付近では、イスラエルの無人機による攻撃があり、3人が死亡しました。さらに、レバノン兵3人と、国連レバノン暫定軍の平和維持要員5人が負傷したと伝えられています。
民間人保護と地域全体の不安定化
ガザ北部での攻勢強化と、レバノン領内での空爆。今回の報道からは、前線が一つの地域にとどまらず、中東の複数の場所で同時に緊張が高まっている様子が浮かび上がります。避難を強いられる家族、支援が届かない地域、教育といった生活の基盤となる場が攻撃にさらされる現状は、いずれも民間人の安全を大きく揺るがしているといえます。
今回の報道から見えるポイントとして、次の3つが挙げられます。
- ガザ北部での地上作戦と空爆の激化により、住民が繰り返し避難を強いられていること
- 避難民が身を寄せる学校やキャンプが攻撃を受け、民間人の被害が拡大していること
- レバノンでもイスラエルとヒズボラの戦闘により死傷者が出ており、戦火が一国・一地域にとどまっていないこと
ガザやレバノンで起きていることは、地理的には遠く離れていても、国際ニュースとして私たちの日常の議論とつながっています。誰の安全がどのように守られるべきか、そして軍事行動の目的と民間人への影響をどう評価するのか。このニュースは、そうした問いを改めて私たちに投げかけています。
Reference(s):
More families stream out of N Gaza, as Israeli tanks push deeper
cgtn.com








