ペルーのチャンカイ港、南米とアジア太平洋結ぶ新ハブに
南米とアジア太平洋を結ぶ新ハブ、ペルー・チャンカイ港が間もなく開業
南米ペルーで建設が進むチャンカイ港が、間もなく開業の時を迎えます。南米とアジア太平洋地域を直接結ぶ大型の新港として、輸送時間とコストの大幅な削減が期待されており、国際物流の地図を書き換える可能性があります。
深さ17.8メートルの深水港、超大型コンテナ船に対応
チャンカイ港は、最大水深17.8メートルの深水港として設計されており、世界的にも大きなサイズのコンテナ船を受け入れられるのが特徴です。これにより、南米からアジア太平洋への直行便に、より大きな船舶を投入しやすくなるとみられます。
港湾施設の中核となる「チャンカイ・ターミナル」計画は、以下のような構成です。
- 多目的ターミナル
- コンテナターミナル
- 周辺の関連インフラ(道路や後背地施設など)
第1期プロジェクトでは、合計4バース(岸壁)が整備される計画で、その内訳は多目的バース2つとコンテナバース2つです。
年間100万TEU、600万トン、16万台を扱う能力
ベルト・アンド・ロード・ポータルによると、完成後のターミナルは次のような年間取扱能力を想定しています。
- コンテナ:100万TEU
- 一般貨物:600万トン
- 車両:16万台
コンテナだけでなく一般貨物や自動車も扱えることから、南米の幅広い産業にとって重要な輸出入拠点となる可能性があります。
ボルアルテ大統領「南米とアジアを結ぶ神経中枢に」
ペルーのディナ・ボルアルテ大統領は、2025年7月に、首都リマの北に位置する小さな町チャンカイで建設が進むこのメガ港について、「南米とアジアを結ぶ神経中枢として機能する」と述べました。
アジア太平洋地域との貿易の面では、次のような変化が期待されます。
- 南米からアジア太平洋への輸出にかかる航海日数の短縮
- コンテナ1本あたりの輸送コストの低下
- 定期コンテナ航路の新設や増便による物流の選択肢拡大
こうした変化は、農産物や鉱物資源、工業製品など、さまざまな品目の価格競争力に影響する可能性があります。
日本を含むアジア太平洋の企業にとっての意味
南米市場と関わりのある日本企業やアジア太平洋地域の企業にとって、チャンカイ港の開業はサプライチェーン戦略を見直すきっかけになり得ます。
- 南米との間で新たな直行航路が生まれれば、リードタイム(発注から納品までの時間)の短縮につながる可能性
- 複数の港を組み合わせることで、調達ルートや販売ルートの分散がしやすくなること
- 港の周辺に物流拠点や加工拠点が集積すれば、新たな投資機会が生まれる可能性
一方で、新たな大規模港の誕生は、既存の港湾との間で競争が強まることも意味します。どの港を経由すれば最適なコストと時間で輸送できるのか、企業側の判断もこれまで以上に複雑になっていきそうです。
これから注目したい3つのポイント
チャンカイ港の本格稼働に向けて、今後は次のような点に注目が集まりそうです。
- 開業時期と立ち上がりのスピード
第1期の4バースがどのタイミングで稼働を始め、どれくらいのペースで取扱量を増やしていくのかが、地域の物流に与えるインパクトを左右します。 - アジア太平洋向けの航路の形成
どの国や地域の港と結ぶ定期航路が開設されるのかは、チャンカイ港がどこまで「南米とアジア太平洋をつなぐ神経中枢」となれるかを決める重要なポイントです。 - 周辺地域の産業・雇用への波及
港の整備にあわせて周辺インフラや産業がどのように発展していくのかは、ペルー経済だけでなく南米全体の成長にも影響し得ます。
南米とアジア太平洋の距離を「物流面」で縮める可能性を秘めたチャンカイ港。開業後の動きをフォローすることで、世界の貿易構造の変化をいち早く読み解く手がかりになりそうです。
Reference(s):
Peru's Chancay Port, South America-Asia 'nerve center', to open
cgtn.com








