スーダン内戦で約2,890万人が人道支援必要に 国境開放と国際社会への訴え
内戦が続くスーダンで、約2,890万人が人道支援を必要としていることが、スーダン政府の発表で明らかになりました。2023年4月中旬から続く武力衝突が、2025年の今も生活基盤を深刻に揺るがしています。
約2,890万人が人道支援を必要 うち1,690万人は「命を守る支援」
スーダンの人道援助担当コミッショナーであるサルワ・アダム・ベンヤ氏は、東部紅海州の州都ポートスーダンで開かれた人道対応会議で、国内の厳しい現状を説明しました。
同氏によると、戦闘が始まって以降、人道支援を必要とする人の数は大幅に増えています。戦闘が始まった直後と比べて、支援を必要とする人は約1,310万人増加し、その結果、現在支援を必要としている人は2,890万人に達しました。
- 人道支援を必要とする人:2,890万人
- うち、命を守るための緊急支援が必要な人:1,690万人
- 今後2か月間で必要と見積もられる支援量:約84万トン
- 戦闘開始後に新たに支援が必要になった人:約1,310万人
とくに1,690万人は、食料や医療など「命を守るための人道支援」がなければ生存そのものが危ぶまれる状況にあるとされます。内戦により、生活インフラや医療体制、食料供給網が大きく損なわれているためです。
国境検問所の開放と「アドレ越境拠点」
暫定統治機関であるスーダン暫定主権評議会のイブラヒム・ジャビル氏は、会議の場で国際社会に対し、スーダンの人々に対する支援の約束を履行するよう呼びかけました。
ジャビル氏は、スーダン政府が紛争で被害を受けた住民への人道支援物資を届けやすくするため、7か所の越境ルートを開放していると説明しました。その一つが、チャドとの国境に位置するアドレ越境ポイントです。
アドレは、人道支援の生命線であると同時に、安全保障上の懸念が指摘されてきた場所でもあります。スーダン政府は、準軍事組織である高速支援部隊(RSF)がこのルートを武器輸送に利用したと非難し、2月に一度閉鎖していました。
しかし、人道支援の必要性が一段と高まるなかで、政府はアドレ国境の開放を再度決定し、その開放期間をさらに3か月延長しました。水曜日に発表されたこの措置は、支援物資をより迅速に国内へ送り込むための措置と位置づけられています。
続く内戦:スーダン軍と高速支援部隊の衝突
スーダンでは、2023年4月中旬から、スーダン軍と準軍事組織・高速支援部隊(RSF)との間で激しい武力衝突が続いています。首都圏だけでなく地方都市や農村部にも戦闘の影響が広がり、多くの人々が国内外への避難を余儀なくされました。
戦闘の長期化により、単発の緊急支援だけでは追いつかない状況になりつつあります。食料不足、医療崩壊、治安悪化など複合的な危機が重なり、人道支援のニーズは時間とともに膨らんでいます。
国際社会への呼びかけと今後の課題
ジャビル氏は、国際社会に対し、これまで表明されてきた支援の約束を実際の資金や物資として届けるよう求めました。現場で活動する支援団体にとっては、次のような課題が続いています。
- 治安悪化による支援スタッフや住民の安全確保
- 道路やインフラの破壊による輸送・物流の困難
- 資金不足やニーズの急増による支援量の不足
- 武装勢力の存在による支援物資の搬入制限や遅れ
スーダン政府は、国境検問所の開放などによって支援ルートの確保に取り組んでいると強調していますが、現地に支援を届けるには、国際機関や各国政府、援助団体の継続的な関与が欠かせません。
日本の読者にとっての意味:遠い国の内戦とどう向き合うか
スーダンの内戦と人道危機は、地理的には日本から遠く離れた出来事です。しかし、その影響は地域の不安定化や難民の増加、国際的な人道支援体制への負荷など、世界全体に波及しうる問題でもあります。
- 近隣国への難民流入は、アフリカ地域の政治・経済の安定に影響します。
- 世界全体の人道支援予算がスーダン向けに振り向けられることで、他の危機地域への支援に影響が出る可能性があります。
- 紛争が長期化するほど、復興や和解に必要な時間とコストも増大していきます。
スマートフォンで日々ニュースを追う私たちにとっても、「支援が最も必要な場所に、確実に届いているのか」「紛争が起きたとき、国際社会はどこまで関与できるのか」といった問いを持ちながら、スーダンを含む国際ニュースを読み解いていくことが求められています。
Reference(s):
Official: About 30m people need humanitarian aid in war-torn Sudan
cgtn.com








