ザポロジエ原発の核安全性が依然「危機」 IAEAが送電線途絶を警告
ウクライナのザポロジエ原子力発電所で、唯一残っている高圧送電線がここ数日で2度途絶し、国際原子力機関(IAEA)は「核安全性はいまも危機にさらされている」と警告しています。本稿では、そのポイントを短く整理します。
ザポロジエ原発の核安全性「いまも危険な状態」
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、最近開かれたIAEA理事会の定例会合で、ザポロジエ原子力発電所(ZNPP)の核安全性について「依然として危機的な状況にある」と報告しました。
グロッシ事務局長によると、この数日のあいだに、発電所と外部電力網を結ぶ唯一の750キロボルト(kV)の送電線が2回にわたって切断されたといいます。
唯一の750kV送電線が約30時間途絶、再び喪失
1回目の送電線の途絶は、発電所からおよそ17キロ離れた地点で原因不明の損傷が発生したことによるものでした。この影響で、発電所は土曜日の朝から日曜日の正午ごろまで、30時間あまりにわたって主力の750kV送電線から切り離された状態になったと説明されています。
その後、損傷箇所の修理が行われ、いったん送電は復旧しましたが、グロッシ事務局長によれば、木曜日の朝に再び同じ送電線との接続が失われたということです。
唯一の330kV予備線に依存する危うさ
送電線が途絶したあいだ、ザポロジエ原発は唯一残された330kVの予備送電線からの電力だけに頼り、原子炉の冷却やその他の重要な安全系統を維持したとされています。
一般に、原子力発電所は発電を止めたあとも燃料を冷やし続ける必要があり、そのための電力を外部の送電線から受け取ります。すべての外部電源を失うと、非常用ディーゼル発電機などに頼らざるを得ず、こうした状況が長引いたり繰り返されたりすれば、リスクは高まります。
紛争前は合計10本の送電線
IAEAの説明によれば、ロシアとウクライナの紛争が始まる前、ザポロジエ原発には750kVの送電線が4本、330kVの送電線が6本ありました。それが現在は、唯一残る750kV送電線と唯一の330kV予備線に大きく依存する脆弱な体制になっていることがうかがえます。
「事故には触れず」でも問われる長期リスク
今回のIAEAの説明では、送電線の途絶に関する情報が中心で、重大な事故の発生については触れられていません。しかし、外部電源との接続が何度も失われているという事実は、原発の安全確保が非常に不安定な状態にあることを意味します。
紛争の影響が続く地域で原発の安全をどう守るのか。IAEAの警告は、技術的な対策の強化とあわせて、周辺の緊張を和らげるための外交的な取り組みの重要性も、あらためて浮かび上がらせています。
Reference(s):
Nuclear safety still 'in jeopardy' at Zaporizhzhia power plant: IAEA
cgtn.com








