レバノンでイスラエル空爆、ベイルート中心部などで55人超死亡
レバノンでイスラエル空爆、ベイルート中心部などで55人超死亡
レバノン当局によると、イスラエルによる一連の空爆で、首都ベイルート中心部を含む各地で少なくとも55人以上が死亡しました。住宅地が直撃され、市民の不安が一気に高まっています。
ベイルート中心部の住宅が崩壊、「子どもが泣き叫んだ」
レバノンの保健当局は、現地時間の土曜日に行われたイスラエルの空爆で、多くの死傷者が出たと発表しました。なかでも、ベイルートの中心部にある労働者階級の地区バスタでは、住宅ビルが1棟倒壊し、少なくとも20人が死亡、66人が負傷したとしています。
爆発の衝撃は市内全域に及び、離れた地区に住む人びとも揺れを感じたと証言しています。倒壊した建物の向かいに住む60歳の男性サミルさんは、現地メディアに対し次のように語りました。「地面に倒れている2人の遺体が見えました……子どもたちは泣き出し、母親はさらに大声で泣き叫びました」。
バスタは、庶民的な商店や住宅が密集する地区で、こうした生活圏が直接攻撃されたことにより、首都の中心でも安全ではないという感覚が広がっています。
南部郊外や東部ベカー渓谷、南部の都市でも犠牲
ベイルート中心部の攻撃に続いて、イスラエル軍は退避を呼びかけたうえで、同市南部の郊外にも空爆を行いました。イスラエル側は、中心部の攻撃についてはコメントしていないものの、南部郊外でヒズボラ関連の標的を再び攻撃したと説明しています。
イスラエル軍は声明で、この1週間にわたり、ダヒエ地区と呼ばれるベイルート南部で「多数のヒズボラの司令部、武器庫、テロリストのインフラ」を空軍が攻撃したと主張しました。
レバノン保健省によると、空爆は東部にも及び、ベカー渓谷を見下ろすシュモスターの町などで24人が死亡しました。このうちシュモスターでは13人の死亡が確認されています。
また、レバノン南部でも少なくとも14人が死亡し、その中には地中海沿岸の都市ティルス(タイア)で亡くなった5人が含まれるとしています。
標的はヒズボラ幹部か 食い違う見方
治安当局の情報筋はAFP通信に対し、ベイルート中心部への攻撃は「ヒズボラの幹部級人物を狙ったものだった」と述べました。一方で、ヒズボラの政治家アミン・シェリ氏はレバノンのメディアに対し、攻撃当時、現場に組織の幹部や関係者は「いなかった」と否定しています。
南部郊外などヒズボラの伝統的な拠点ではなく、中心部など別の地域で、事前の警告なしに行われた同様の空爆は、過去にも高位の人物を狙ったものだとされてきました。今回の攻撃もその延長線上にあるのか、それとも別の意図があるのかについて、議論が続きそうです。
市民への打撃と、今後の焦点
ベイルート中心部の住宅地が直接の標的となったことで、レバノン国内では、市民がさらに巻き込まれるのではないかという懸念が強まっています。仕事や買い物で日常的に訪れる地区が攻撃対象となり、「どこにいても安全ではない」という感覚が広がりつつあります。
今回の空爆で見えてくるのは、次のような点です。
- 攻撃の範囲が、従来の南部郊外などの拠点から、ベイルート中心部や東部、南部の都市へと広がっていること
- 軍事拠点とされる場所だけでなく、住宅地での被害が目立ち、一般市民の犠牲が増えていること
- ヒズボラ側の幹部を狙った攻撃なのか、市街地全体への圧力なのか、攻撃の性格をめぐる見方が割れていること
レバノンの医療体制やインフラへの影響も、今後の重要な論点となります。負傷者の治療が続くなか、被害の全容はまだ明らかになっていません。国際社会が、これらの空爆と民間人への影響をどう受け止め、どのような対応を取っていくのかが注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








