国連新人道支援トップがスーダン初訪問 支援拡大とアクセス改善を訴え
国際ニュースとしてのスーダン情勢で、新たな動きです。先週就任した国連の新人道支援トップ、トム・フレッチャー氏が最初の現地訪問先としてスーダンを選び、当局に対して人道支援へのアクセス拡大を強く求めました。
国連新人道支援トップがスーダンを初訪問
国連によると、フレッチャー氏は月曜日、内戦で疲弊するスーダンの港湾都市ポートスーダンから人道支援関係者に向けて書簡を発表し、最初の外遊としてスーダンと隣国チャドを訪問していることを明らかにしました。先週、前任のマーティン・グリフィス氏に代わって国連人道問題担当事務次長に就任したばかりです。
書簡の中でフレッチャー氏は、自身の最初の任務の目的として次の点を挙げています。
- 支援を必要とする人びとへのアクセスを拡大すること
- 危機への国際的な注目を高めること
- 各国に配置された人道調整官(HC)やチームを後押しし、重要な支援の調整を強化すること
- 現場で話を聞き、学ぶこと
「半数以上が支援必要」深刻化する人道危機
書簡の中でフレッチャー氏は、スーダンの危機について「スーダンの人口の半数以上が支援を必要としており、平均すると1日2万人が避難を余儀なくされている」と述べ、事態の深刻さを訴えました。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長の報道官ステファン・デュジャリック氏によると、フレッチャー氏は今回の訪問での見聞を「規模があまりに大きく、世界の注目を求めざるを得ない危機」だと表現し、市民が全国各地で被っている苦しみに光を当てたいとしています。
スーダン当局との協議 焦点は支援アクセス
デュジャリック報道官によりますと、フレッチャー氏はスーダン当局者と相次いで会談し、暫定主権評議会の議長を務めるブルハン将軍とも面会しました。
会談では、次のような論点が話し合われたとしています。
- 支援物資の輸送や配布を妨げている制約をどう緩和するか
- 危機の影響が最も大きい地域に、人道支援要員の常駐を増やし、対応を拡大する方法
- 国境を越えた支援や、戦闘の前線をまたぐ形での支援ルートをどのように広げるか
フレッチャー氏はまた、スーダン全土で続く市民の苦しみに国際社会の目を向けさせたいという意向も伝えたとされています。
子どもと避難民の現場で何が起きているか
日曜日には、スーダン東部のカッサラを訪れ、暴力の激化により避難を余儀なくされた、親の保護を受けられない子どもたちのためのセンターを視察しました。
フレッチャー氏はまた、国内避難民のキャンプも訪れ、住民の声に耳を傾けました。現場でのこうした対話を通じて、今後の支援計画に生かすねらいがあります。
WFPの航空ルート新設で北部支援を後押し
デュジャリック報道官によれば、世界食糧計画(WFP)は、国連人道航空サービス(UN Humanitarian Air Service)の国内線を新たに1路線開設しました。日曜日には、ポートスーダンから北部州の都市ドンゴラへの初便が運航されたということです。
この新たなフライトにより、人道支援団体のスタッフはスーダン北部での活動拠点を広げ、より迅速に北部のアル・ダッバなどの要衝へ移動して支援物資を送り届けやすくなるとされています。
日本の読者への問い 遠い危機をどう捉えるか
アフリカのスーダンは、日本から見ると地理的にもニュースの優先順位としても遠い存在になりがちです。しかし、人口の半数以上が支援を必要とし、毎日2万人が避難を強いられるという規模の危機は、世界の人道課題の中でも重い意味を持ちます。
今回、就任直後の国連人道支援トップが最初の現場としてスーダンを訪れたことは、国際社会に「この危機を忘れてはならない」というメッセージを発しているとも受け取れます。
日本にいる私たちにできることは限られているように見えますが、次のような小さな行動も意味を持ちます。
- スーダンをめぐる国際ニュースを継続的にフォローすること
- 家族や友人、オンラインコミュニティで状況を話題にすること
- SNSで信頼できる情報や解説記事を共有すること
遠く離れた国のニュースに意識的に目を向けることは、国際社会の一員としての感度を保つ一歩にもなります。
Reference(s):
New UN relief chief visits Sudan, appeals for more aid access
cgtn.com








