バイデン氏、トランプ次期大統領にメキシコ・カナダ関税案の再考求める
米国のバイデン大統領が、トランプ次期大統領によるメキシコ・カナダへの関税案に懸念を示しました。近い同盟国との関係を損なうおそれがあるとして、方針の再考を呼びかけています。
感謝祭休暇中に語った懸念
先月の米国の感謝祭連休中、マサチューセッツ州ナンタケットで記者団の取材に応じたバイデン大統領は、トランプ氏が掲げるメキシコとカナダへの関税計画について「生産的ではない」として再考を求めました。
バイデン氏は、米国が太平洋と大西洋、そしてメキシコとカナダという二つの同盟国に囲まれていることに触れ、「これらの関係を台無しにすることだけは避けるべきだ」と強調しました。
トランプ氏の関税案:移民と薬物対策を理由に
バイデン氏の発言に先立ち、トランプ次期大統領はその週の月曜日、メキシコとカナダからの薬物や移民の流入を抑え込むまで、両国に対して関税を課す考えを表明しました。この構想は、3か国間の自由貿易をうたう米国・メキシコ・カナダの自由貿易協定と矛盾する可能性が指摘されています。
トランプ氏は、関税をテコに薬物対策と国境管理の強化を迫る構図を描いていますが、同盟国との経済関係だけでなく、安全保障上の連携にも影響が及ぶおそれがあります。
メキシコのシェインバウム大統領は「良好な関係」を強調
メキシコのクラウディア・シェインバウム大統領は、先月行ったトランプ氏との電話会談について、会談の中で関税について具体的な協議は行わなかったと説明しました。そのうえで、両国の関係は良好なものになることで一致したと述べています。
これに対しトランプ氏は、シェインバウム氏がメキシコを通過する移民を食い止め、米国南部国境を事実上閉鎖することに同意したと主張しました。一方のシェインバウム氏は、移民が米国国境に到達する前に対処するための戦略を提示したとし、強硬な「国境封鎖」とは異なるアプローチを強調しています。
円滑な政権移行を目指すバイデン氏
バイデン大統領は先月初め、ホワイトハウスでトランプ氏と会談しており、自身の退任と次期政権の発足が円滑に進むよう望んでいると繰り返し述べてきました。
今回の発言でも、トランプ氏の関税案をめぐって「内部での熟慮」が進む可能性に言及し、次期政権が政策を見直す余地に含みを持たせました。公の場での対立を避けつつ、同盟国との関係維持を優先する姿勢をにじませた形です。
日本や世界への広がり:なぜこのニュースが重要か
米国・メキシコ・カナダ間の関税問題は、北米に拠点やサプライチェーンを持つ企業だけでなく、日本企業や世界経済にも波及しうるテーマです。
- 自動車や部品、電機など、多くの製造業が3か国をまたぐ生産網を築いているため、関税が導入されればコスト増や生産移転が現実味を帯びます。
- 移民や薬物対策を関税と結びつける動きが広がれば、通商政策と治安対策の線引きがあいまいになり、国際交渉が複雑化する可能性があります。
- 同盟国間の関係が揺らげば、対ロシアや中東情勢など、他の安全保障課題での連携にも影響することが考えられます。
トランプ次期政権がどこまで関税案を押し進めるのか、あるいはバイデン氏の期待どおり再考に動くのかは、今後数か月の米国政治と国際経済を左右する大きな焦点になりそうです。日本としても、北米との貿易や投資にどのような影響が出るのかを注視していく必要があります。
Reference(s):
Biden says he hopes Trump rethinks tariffs on Mexico and Canada
cgtn.com








