仏マクロン大統領、バルニエ首相に続投要請 次期首相任命まで暫定政権
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、内閣不信任案の可決で辞任を表明したミシェル・バルニエ首相とその内閣に対し、新しい首相が任命されるまで暫定的に政権運営を続けるよう要請しました。2025年予算案をめぐる政治危機の中で、ユーロ圏第2の経済大国フランスは、あらためて不安定さを露呈しています。
暫定政権で「当面の業務」を継続
大統領府エリゼ宮は声明で、バルニエ首相が内閣総辞職を申し出たことをマクロン大統領が受理したと明らかにしました。そのうえで、バルニエ首相と閣僚らが、新内閣の発足まで「当面の国政」を担当すると説明しています。政治空白を避けるため、辞任表明後もしばらくは現内閣が事務管理内閣として残る形です。
就任から90日、現代フランス最短の首相に
バルニエ氏の辞任は、極右と左派の議員が手を組み、内閣を倒す採決に踏み切ったことを受けたものです。この結果、バルニエ氏は現代フランスで最も在任期間の短い首相となりました。首相就任からわずか90日での退陣であり、すでに政治的混迷が深まっていたフランスを、さらに深い危機へと押しやる形になっています。
- 右派と左派が共闘した内閣不信任案
- 90日での退陣という異例の短命政権
- ユーロ圏第2の経済に広がる政治的不透明感
火種となった2025年予算案と歳出削減
今回の政権崩壊の直接のきっかけとなったのは、2025年予算案でした。バルニエ政権は、フランスの財政を安定させるためとして、歳出削減を含む緊縮的な予算方針を掲げましたが、多くの議員にとっては受け入れがたい内容だったとされています。社会保障を含む支出の抑制に反発が広がり、議会多数の支持を得ることができませんでした。
「赤字の現実は不信任で消えない」首相の訴え
採決を前に、バルニエ首相は議会演説で、自らが押し通した2025年の社会保障予算について擁護しました。フランスが「巨大な赤字」に直面していると強調し、「この現実はそこにあり続ける。不信任案という『魔法』で消えることはない」と訴えています。首相にとっては、緊縮策は痛みを伴っても避けられない選択であり、その是非をめぐる溝が、政権崩壊というかたちで噴き出したと言えます。
マクロン大統領が急ぐ「次の一手」
複数の関係者によりますと、マクロン大統領は政治的な空白を最小限に抑えるため、新たな首相の指名を急いでいるとされています。新首相には、議会との関係を立て直しつつ、財政再建と社会保障をどう両立させるのかという難題がのしかかります。
- 議会多数派と協力できる政治的バランス感覚
- 赤字削減と生活保障を両立させる政策力
- 国内外の市場や市民の不安を抑える説明力
財政か福祉か――フランスから見える共通の課題
今回のフランスの政治危機は、一国の内政問題であると同時に、多くの先進国が抱えるジレンマも映し出しています。深刻な財政赤字にどう向き合うのか。社会保障や公的サービスの水準をどこまで維持できるのか。そして、その選択を誰がどのように決めるのか。
2025年12月の今、フランスではこの問いが、政権の存続そのものを左右する争点として表面化しました。日本を含む他の国々でも、似たような議論がこれから一層避けられなくなるかもしれません。フランス政治の動きは、私たち自身の社会のあり方を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
Macron asks Barnier and his government to stay on until next PM named
cgtn.com








