EU・メルコスール通商協定が妥結目前 ウルグアイ入りした欧州委員長と揺れるフランス
欧州連合(EU)と南米の地域ブロック、メルコスールの通商協定が妥結に近づいています。欧州委員会のフォンデアライエン委員長がウルグアイに到着し、長年停滞してきた協定の最終合意を目指す一方、協定に批判的なフランスでは政局の混乱がEU内での影響力を揺るがしています。
フォンデアライエン委員長、ウルグアイで通商協定の最終調整へ
最近、欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長がウルグアイに到着し、EUと南米のメルコスールとの通商協定の妥結に向けた協議に臨んでいます。この協定は長く合意が先送りされてきましたが、今回は合意が視野に入ったとみられています。
メルコスールは南米の複数の国が参加する地域ブロックで、EUとの大型通商協定が実現すれば、両地域の貿易や投資の枠組みが大きく変わる可能性があります。フォンデアライエン氏のウルグアイ訪問は、その仕上げの局面と位置づけられています。
フランスは協定を受け入れ難いと批判
一方で、このEU・メルコスール通商協定に対してフランスはこれまで強く異議を唱えてきました。フランス政府は協定の内容を受け入れ難いとし、自国の立場から反対姿勢を明確にしています。
しかし、フランス国内の政治的なまひ状態が続くなかで、EU全体の交渉の場における同国の影響力は弱まっているとの見方も出ています。そうしたタイミングでのフォンデアライエン氏の南米訪問は、協定の行方を左右する重要な一歩となりそうです。
仏政権崩壊とEU交渉への波紋
フォンデアライエン氏がウルグアイに到着したのは、フランスのマクロン政権が崩壊したわずか数時間後でした。フランス議会では、財政赤字を抑制するための取り組みをめぐって内閣不信任案が可決され、政府は倒れました。
この不信任案の成立により、エマニュエル・マクロン大統領は新たな首相を指名しなければならず、国内政治の立て直しに追われています。その結果、EU交渉の場で通商協定に強く異議を唱えてきたフランスの発言力は、一時的に低下しているとも指摘されています。
政治の空白は妥結の追い風か、それとも不確実性か
フランスの政治的な混乱は、EUとメルコスールの通商協定にとって二つの意味を持ち得ます。一つは、協定に批判的だった主要メンバーの影響力が弱まることで、妥結へのハードルが下がる可能性です。
もう一つは、EUの中核国の一つであるフランスが不安定な状態にあることで、EU全体としてのメッセージや戦略が見えにくくなり、交渉パートナー側に不透明感を与えかねないという側面です。
私たちが押さえておきたいポイント
今回の動きは、日本から見るとやや遠い地域のニュースに見えるかもしれませんが、いくつかの重要なポイントがあります。
- EUと南米の関係が強化されれば、世界の貿易構造やサプライチェーンのあり方にも影響し得ること
- 一つの加盟国の内政が、EUという枠組み全体の通商戦略にまで波及していること
- 国内の財政問題や政治対立が、国際交渉の場でも無視できない要因になっていること
EUとメルコスールの通商協定が最終的にどのような形でまとまるのか、そしてフランスの政局が今後どこまで落ち着きを取り戻すのか。両者の行方を追うことは、国際ニュースを通じて世界の力学を読み解くうえで、これからますます重要になっていきそうです。
Reference(s):
EU chief arrives in Uruguay with Mercosur trade deal 'in sight'
cgtn.com








