韓国ユン大統領、弾劾審理で出廷意向 戒厳令と反乱罪が焦点に
韓国のユン・ソクヨル大統領に対する弾劾と刑事捜査を巡り、憲法裁判所での公開弁論が開かれれば、自ら出廷して主張を述べる意向であることが分かりました。戒厳令発令と反乱罪の疑いが重なる今回の事態は、韓国の民主主義と権力分立の行方を占う重要な局面になっています。
ユン大統領、憲法裁判所で「自ら語る」姿勢
韓国の聯合ニュースによると、弾劾訴追を受けたユン・ソクヨル大統領の弁護人は、憲法裁判所で公開弁論が開かれる場合、ユン氏が法廷で自らの立場を堂々と表明する考えだと明らかにしました。
弁護人の説明からは、弾劾審理の公開弁論が始まれば、ユン氏が憲法裁判所に出廷する方向で調整していることがうかがえます。憲法裁判所は弾劾事件の最初の準備手続きとなる予備審問を、12月27日に開く計画だとされています。
戒厳令と反乱罪、どう争われるのか
ユン氏は12月3日の夜に戒厳令を発令しましたが、その数時間後に国会によって撤回されました。この戒厳令をめぐり、捜査当局はユン氏を反乱罪(反乱の嫌疑)での被疑者として扱っています。
一方で、弁護人によると、ユン氏本人は法的な観点からは反乱罪について「まったく心配していない」との姿勢だとされています。ユン氏は12月12日のテレビ演説で、戒厳令の発令は、野党の「立法独裁」から守るための「統治行為」だったと主張しました。
つまり、ユン氏側は、戒厳令は国家を守るための政治的判断であり、刑事責任や弾劾の対象となる違法行為ではない、という立場を打ち出しているといえます。
刑事捜査と弾劾裁判、二つの防戦ライン
弁護側によれば、ユン氏の防御体制は、刑事捜査と弾劾裁判で別々に構築される見通しです。反乱罪などの疑いに対する刑事捜査用と、憲法裁判所での弾劾審理用で、それぞれ弁護団を組むとしています。
検察当局は12月21日にユン氏を呼び出して事情聴取を行う方針ですが、弁護人は現時点では出頭するかどうか「判断が難しい」と述べ、召喚への対応は数日以内に公表するとしています。刑事手続きへの姿勢は、今後の世論や政治状況にも影響を与えそうです。
弾劾手続きのタイムライン
ユン氏に対する弾劾は、2度目の弾劾訴追案が12月14日に国会を通過したことで本格化しました。この訴追案は憲法裁判所に送付され、最大180日間の審理が行われる見通しです。
弁護側の説明によれば、この審理期間中、ユン氏の大統領としての権限は停止されます。憲法裁判所が弾劾を認めるかどうかの最終判断を下すまで、韓国の政治は長期にわたり不確実な状態が続く可能性があります。
韓国政治と民主主義への意味
今回の一連の動きは、韓国の民主主義と権力分立にとって大きな意味を持ちます。大統領による戒厳令発令と、これに対抗した国会の対応、そして憲法裁判所による審理という三つの権力のぶつかり合いが同時に進んでいるためです。
ユン氏が野党の多数を「立法独裁」と呼び、戒厳令を「統治行為」と位置づけたことは、政治対立の深さを映し出しています。支持者の間では「治安と秩序の回復」と受け止められる一方、批判的な立場からは「議会制民主主義への挑戦」との見方も出ることが予想されます。
こうした中で、憲法裁判所の判断は、単に一人の大統領の進退を決めるだけでなく、非常時における大統領権限の範囲や、国会と行政府の力関係を改めて定義する役割を担うことになります。
読者が押さえておきたいポイント
- ユン大統領は、憲法裁判所で公開弁論が開かれれば、自ら出廷して主張を述べる意向を示している。
- 12月3日の戒厳令発令をめぐり、捜査当局はユン氏を反乱罪の被疑者とみなしているが、ユン氏は法的な責任を否定している。
- 弾劾審理と刑事捜査には、それぞれ別の弁護団が対応する構えで、12月21日の検察出頭の有無も焦点になっている。
- 2度目の弾劾訴追案は12月14日に可決され、憲法裁判所は最大180日間かけて審理する見通しで、その間、大統領権限は停止される。
- 今回の弾劾と戒厳令を巡る攻防は、韓国の民主主義のあり方や、危機時の大統領権限の範囲について、国内外で大きな議論を呼ぶ可能性がある。
今後、憲法裁判所での審理や検察の捜査がどのように進むのか、そして韓国社会がこの政治危機にどう向き合っていくのかが、国際ニュースとしても注目されます。
Reference(s):
S. Korean president to express position in court if hearings are held
cgtn.com








