ドイツ・マクデブルク車両突入事件 追悼式が映した街の悲しみ
2024年12月、ドイツの都市マクデブルクのクリスマスマーケットで、車が人混みに突っ込む事件が起き、少なくとも5人が死亡、およそ200人が負傷しました。事件の翌日には犠牲者を悼む追悼式が開かれ、街全体が深い悲しみに包まれました。本記事では、その追悼式の様子と、見えてきた課題を振り返ります。
マクデブルク大聖堂で行われた追悼式
事件の翌日の土曜日の夜、マクデブルクの大聖堂で追悼式が行われました。式は主に、犠牲者の遺族や負傷者、現場で救助活動にあたった緊急対応要員などを対象としたもので、ドイツ連邦大統領フランク=バルター・シュタインマイヤー氏も参列しました。
大聖堂の外では、多くの人が花を手向け、ろうそくに火をともして静かに祈りをささげました。事件が発生した前日の午後7時4分と同じ時刻には、マクデブルク市内の教会の鐘が一斉に鳴らされ、街全体で犠牲者を追悼する時間となりました。
9歳の子どもを含む5人が死亡、約200人が負傷
地元の検察庁トップであるホルスト・ヴァルター・ノーペンス氏によると、この車両突入事件では少なくとも5人が命を落とし、その中には9歳の子どもが含まれていました。残る4人の成人犠牲者について、当局は詳細を明らかにしていません。
負傷者はおよそ200人にのぼり、多くが重傷とされています。当時、当局は重いけがを負った人が多いことから、犠牲者数がさらに増えるおそれがあると警告していました。
3分間の惨事と安全対策への疑問
ドイツのメディアによると、事件はおよそ3分間という短い時間の中で起きたとされています。加害者が通行した緊急車両用のルートには車両進入を防ぐバリケードが設置されておらず、この点が安全対策上の大きな問題として指摘されました。
多くの人が集まるクリスマスマーケットでは、事故や暴力行為を防ぐため、車両の進入をどう制限するかが重要な課題です。緊急時に使う通路や搬入口など、あえて空けているスペースこそ、いざというときの弱点になりかねないことを、この事件は浮き彫りにしました。
ショルツ首相「恐ろしい悲劇」 社会の結束を呼びかけ
オラフ・ショルツ首相は、この事件について「多くの人々をこれほどまでに残酷な方法で傷つけ、命を奪うという、恐ろしい悲劇だ」と述べました。そのうえで、社会の結束を呼びかけるとともに、この事件に対して「法のあらゆる力」をもって臨む姿勢を示しました。
突発的な暴力事件のあと、社会には恐怖や怒り、不信感が広がりがちです。一方で、犠牲者とその家族を支え合い、冷静に事実を見つめながら、法に基づいて責任を追及していくことも求められます。指導者のメッセージは、その両立を目指す意思の表れだと受け取ることができます。
遠くのニュースを自分ごととして捉える
日本に住む私たちにとって、ドイツの都市で起きたこの事件は「遠くのニュース」に感じられるかもしれません。しかし、年末年始のイベントや花火大会、フェス、スポーツ観戦など、多くの人が集まる場の安全をどう守るかという点では、日本社会も同じ課題を抱えています。
マクデブルクで行われた追悼式では、鐘の音やろうそくの光を通じて、街が一体となって犠牲者に思いを寄せました。その姿は、「同じことを繰り返さないために何ができるのか」を問い続けることの重要性を、静かに伝えています。事件から時間がたった今も、その問いは私たち一人ひとりに向けられていると言えるでしょう。
Reference(s):
Memorial service held for victims of car attack at German market
cgtn.com








