バイデン米大統領、連邦死刑囚40人中37人の刑を減刑
2025年12月8日(月)、バイデン米大統領が連邦死刑囚40人のうち37人の刑を減刑したと、ホワイトハウスが声明で発表しました。アメリカの死刑制度をめぐる議論に、大きな一石を投じる動きです。
37人の刑を一斉に減刑 ホワイトハウスが声明
ホワイトハウスによると、バイデン米大統領は連邦レベルで死刑判決を受けている受刑者40人のうち37人について、刑を減刑する決定を下しました。
声明では、今回の対象が「連邦死刑囚」であることが明らかにされました。連邦死刑囚とは、州ではなく連邦政府の裁判所で死刑判決を受け、連邦刑務所に収容されている人たちを指します。
- 対象は連邦の死刑囚40人
- このうち37人の刑が減刑
- ホワイトハウスが声明で発表
「減刑」とは何か 「恩赦」との違い
今回の発表でカギとなるのが「減刑」という言葉です。減刑は、下された刑罰の重さを軽くする措置で、多くの場合、死刑を別の刑に変更することを意味します。
一方、「恩赦」は、刑そのものを免除したり、前科を事実上消したりする、より広い概念です。減刑は「刑の内容を変えること」、恩赦は「刑の効力を弱めたり無くしたりすること」と整理すると分かりやすいかもしれません。
バイデン大統領とアメリカの死刑制度
アメリカでは、連邦政府と各州がそれぞれ刑事司法制度を持ち、一部の州では今も死刑制度が存続しています。一方で、死刑を廃止した州や、実務上は執行を停止している州も増えています。
バイデン大統領は、これまでも死刑制度に批判的な立場を示してきたとされます。とくに連邦レベルの死刑については、執行を止めるモラトリアム(凍結)を維持しつつ、制度の見直しを支持する姿勢を打ち出してきました。今回、連邦死刑囚の大半にあたる37人の刑を一度に減刑したことは、そのスタンスを具体的な行動として示したものと受け止められそうです。
人権と安全保障のあいだで揺れる議論
アメリカの死刑制度をめぐっては、「取り返しのつかない誤判のリスク」や「人権の観点」から廃止を求める声がある一方、「重大犯罪に対する抑止力」や「被害者・遺族の感情」に配慮すべきだとする意見も根強くあります。
今回の決定に対しても、
- 死刑廃止や刑事司法改革を求める人たちからは、「歴史的な一歩」と評価する声
- 厳罰を重視する立場からは、「犯罪抑止力を弱めるのではないか」という懸念
といった、賛否さまざまな反応が出ることが予想されます。
日本からどう見るか――「遠い国のニュース」で終わらせないために
日本でも死刑制度は存続しており、世論調査では賛成の割合が多いとされます。一方で、えん罪(無実の人が有罪とされること)や、死刑の運用の在り方をめぐって、国内でも議論が続いています。
アメリカの動きは、日本とまったく同じ状況ではありませんが、「国家が人の命を奪う刑罰をどう位置づけるのか」という根本的な問いを、あらためて私たちに投げかけています。
今回のニュースをきっかけに、
- 死刑制度は本当に必要なのか
- 被害者や遺族の感情にどう向き合うべきか
- えん罪を完全に防ぐことはできるのか
といった論点について、身近な人と話してみるのも一つのきっかけになりそうです。
今後の焦点は?
今回の減刑によって、アメリカ連邦レベルの死刑制度が今後どうなっていくのかに注目が集まります。連邦政府として死刑制度そのものを見直すのか、あるいは個別の案件ごとに判断を続けるのかは、今のところ見通せません。
また、40人のうち残る死刑囚をどう扱うのかも重要な論点です。今回の決定が一度限りの措置なのか、それともより大きな制度改革につながる第一歩なのか、今後のホワイトハウスや議会の動きが注視されます。
このニュースは、一国の刑事政策であると同時に、人権や民主主義の価値観をめぐる国際ニュースでもあります。通勤時間やスキマ時間の一読で終わらせず、自分ならどんな刑事司法制度を望むのか、少し立ち止まって考えてみるきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
Biden commutes sentences for 37 of 40 federal death row inmates
cgtn.com








