フランスで新内閣発足 バイル首相が元首相2人を起用
フランスのフランソワ・バイル首相はエリゼ宮の発表で新内閣を公表しました。元首相2人を閣内に迎えたこの布陣は、経験と安定を前面に出したフランス政治の動きとして国際ニュースでも注目されています。
元首相2人を要のポストに
新政府は14の省で構成されるスリムな体制です。マニュエル・バルス元首相は海外領土省のトップに就き、エリザベット・ボルヌ元首相は国民教育・高等教育・研究省を率いることになりました。
海外領土省はフランス本土以外の地域を所管し、国民教育・高等教育・研究省は学校教育から大学、研究政策までを扱う重要ポストです。元首相経験者がそれぞれ担当することで、政権の経験値を前面に出す狙いがうかがえます。
前政権メンバーの続投と女性閣僚の登用
ミシェル・バルニエ前政権からは3人の閣僚が留任します。内務相にはブルーノ・ルタイヨー氏、防衛(軍)相にはセバスチャン・ルコルヌ氏、欧州・外務相にはジャン=ノエル・バロ氏がそれぞれ続投します。
さらに、バルニエ政権で閣僚を務めた4人の女性も新内閣に名を連ねました。ラシダ・ダティ氏は文化相に就任し、カトリーヌ・ヴォートラン氏は労働・保健・連帯・家族担当相として社会政策全般を担います。アニエス・パニエ=ルナシェ氏は生態系転換・生物多様性・森林・海洋・漁業担当相として環境分野を引き続き担当し、アニー・ジュヌヴァール氏は農業・食料主権相に任命されました。
治安、国防、外交、環境、農業、文化など、フランスの基幹分野で前政権からの継続性が確保されていることがわかります。
2025年予算を担う経済チーム
2025年の予算編成に向けて、バイル首相は経済・財務・産業・デジタル主権相にエリック・ロンバール氏を起用しました。このポストは、物価や雇用、デジタル産業政策まで幅広い分野を握る中核ポストです。
エネルギー転換やデジタル化が進むなかで、「産業・デジタル主権」という言葉を冠した省にどのような権限と役割が与えられるのかは、今後のフランス経済政策を占ううえで重要なポイントとなります。
政権交代の経緯とバイル首相のメッセージ
エマニュエル・マクロン大統領は、12月4日の不信任投票でミシェル・バルニエ前首相が退陣に追い込まれたのを受け、12月13日にバイル氏を新たな首相に任命しました。
新内閣のもとでの最初の閣議は、2025年1月3日に開催される日程で設定されていました。この場で、2025年の予算や内政・外交の優先課題が本格的に議論されることが想定されていました。
バイル首相は発表後、自身のX(旧ツイッター)で、この内閣を「全てのフランスの人々との信頼を回復し、和解を進めるための経験豊かな集団」と表現しました。元首相経験者や前政権の主要閣僚を積極的に登用した背景には、不信任決議で前政権が退陣に追い込まれた政局の緊張の中で、安定感と即戦力を重視する狙いが透けて見えます。
日本の読者にとってのポイント
今回のフランス新内閣の特徴は、次の3点に整理できます。
- 元首相2人を含む「経験重視」の布陣
- 内務・外務・防衛など安全保障の中枢は前政権から継続
- 経済・デジタル・環境・農業・家族政策といった生活に直結する分野を女性閣僚が多く担う構図
エネルギー転換やデジタル主権の議論は、日本を含む多くの国に共通するテーマです。フランスが新体制のもとでどのような政策を打ち出すのかは、欧州だけでなく日本の経済や企業戦略にも影響を与える可能性があります。
今後、2025年予算案の中身や、教育・環境・家族政策の具体的な改革案が示されれば、バイル政権の優先順位がよりはっきりしてくるでしょう。
Reference(s):
French PM unveils new cabinet, including two former prime ministers
cgtn.com








