韓国ニュース 尹錫悦大統領に逮捕状請求 裁判所へ書面意見提出へ
韓国の尹錫悦(Yoon Suk-yeol)大統領に対して共同捜査本部が逮捕状を請求する中、尹氏がソウルの裁判所に書面で意見を提出し、弁護人を正式に選任する方針であることが伝えられました。現職大統領を巡る前例の少ない事態は、韓国政治と司法の行方を占う重要なニュースとなっています。
尹錫悦大統領、逮捕状審査に書面で対応へ
韓国メディアによりますと、尹錫悦大統領はソウル西部地裁(ソウル西部地方裁判所)に対し、逮捕状請求に関する自らの立場を記した書面意見を提出する予定です。
尹氏側の代表を務める弁護士のYoon Kab-keun氏は、尹氏の書面意見が同日中にも裁判所に提出される見通しだと述べています。また、尹氏の弁護人選任書も裁判所に届け出るとしています。
背景:今月の短期間の戒厳令と逮捕状請求
今回の逮捕状請求は、2025年12月上旬に尹大統領が短期間の戒厳令を布告したことを巡るものです。共同捜査本部は、この戒厳令をめぐり、尹氏に対して「内乱」と「職権乱用」に当たる疑いがあるとして捜査を進めてきました。
捜査当局によると、尹氏はこれまでに3回出された出頭要請(召喚)に応じず、事情聴取に姿を見せていません。このため共同捜査本部は、ソウルの裁判所に尹氏の逮捕状を請求しました。
流れを整理すると、事態は次のように進んできました。
- 2025年12月上旬:尹大統領が短期間の戒厳令を布告
- その後:共同捜査本部が内乱・職権乱用の疑いで捜査を開始
- 捜査当局が3度にわたり尹氏に出頭を要請するも、尹氏は応じず
- 共同捜査本部がソウルの裁判所に逮捕状を請求
- 尹氏側が、書面意見の提出と弁護人選任で対応の姿勢を示す
尹氏の主張:「統治行為」か「権力乱用」か
尹錫悦大統領は、これまでに捜査当局が示した容疑を否定してきました。尹氏は、自身による戒厳令の布告について、「統治行為(act of governance)」であり、野党による「立法権の乱用」だとみなす動きをけん制するための警告だったと主張しています。
一方、共同捜査本部は、戒厳令の布告が憲法秩序や権力のあり方を揺るがすものだったとして、内乱および職権乱用に当たる可能性があると見ています。現在職務停止中とされる尹氏に対する逮捕状請求は、韓国国内で大きな議論を呼んでいます。
裁判所の判断と今後の焦点
ソウルの裁判所は、共同捜査本部による請求を受け、尹錫悦大統領に対する逮捕状を発付するかどうかを判断します。書面意見の内容や、弁護人の主張なども踏まえたうえで、逮捕の必要性や相当性が検討される見通しです。
今後の主な焦点としては、次の点が挙げられます。
- 司法判断の重み: 現職の大統領(現在は職務停止中)に対する逮捕状を出すかどうかは、韓国の司法制度にとっても象徴的な判断となります。
- 政治への影響: 戒厳令をめぐる評価を通じて、政権と野党の対立構図や、国会運営にも影響が及ぶ可能性があります。
- 市民の受け止め: 「安全や秩序のための措置」と見るか、「権力の乱用」と見るかによって、世論の分断が深まるリスクも指摘されています。
なぜこのニュースが重要なのか
国家の最高権力者による戒厳令と、その正当性をめぐる司法判断は、「民主主義と法の支配」がどのように機能しているのかを映し出す鏡でもあります。韓国の動きは、日本を含む周辺地域の政治や安全保障議論にも間接的な影響を与えうるテーマです。
2025年12月8日現在、裁判所の最終判断はまだ示されていません。尹錫悦大統領の書面意見の内容と、ソウルの裁判所がどのような結論を出すのか、今後の続報が注目されます。
本記事は、2025年12月8日時点で報じられている情報にもとづいています。
Reference(s):
S. Korea's Yoon to submit written opinion to court over arrest warrant
cgtn.com








