韓国でジェジュ航空機が炎上 179人死亡、米当局も調査参加
韓国南西部の空港でジェジュ航空機が着陸に失敗して炎上し、179人が死亡しました。韓国史上最悪の航空事故となる可能性があり、当局は原因の解明を急いでいます。
タイ発ジェジュ航空便、着陸時に炎上
韓国では週明けの月曜日、前日の日曜日に発生した旅客機事故の衝撃が広がっています。ボーイング737-800型機のジェジュ航空2216便は、タイから韓国に向かう便で、乗客と乗員あわせて181人が搭乗していました。
機体は韓国南西部のムアン国際空港に着陸しようとした際、胴体着陸したあと滑走路を外れ、壁に衝突して炎上しました。この事故で搭乗していた181人のうち179人が死亡し、生存者は客室乗務員2人のみという深刻な被害となりました。
「ほぼ完全に破壊」された機体、映像が伝える惨状
現地からの映像には、ジェジュ航空2216便が車輪を出さないまま機体の腹部で接地し、そのまま滑走路を滑り、エンジン部分から煙を上げながら進んでいく様子が映っていました。機体はその後、空港の外れにある壁にぶつかり、大きな炎に包まれました。
消防当局によると、機体はほぼ完全に破壊され、多くの乗客が機体から投げ出されたとされています。救助活動は夜通し行われましたが、火災の激しさから、生存者の確認は困難を極めました。
生存した2人の客室乗務員、その証言
この事故で唯一生き残ったのは、客室乗務員の男女2人でした。韓国の通信社・聯合ニュースによりますと、そのうち33歳の男性乗務員は病院で意識を取り戻し、医師に対し「目が覚めたときにはすでに救助されていた」と話したということです。彼は複数の骨折など重いけがを負っています。
もう一人の25歳の女性乗務員も救出され、足首と頭部にけがをしていると伝えられています。2人の回復状況や、事故直前の機内の様子についての証言は、今後の事故調査にとって重要な手がかりとなりそうです。
原因はバードストライクか 米当局も調査に参加
韓国の当局は、今回の事故について、現時点では鳥との衝突、いわゆるバードストライクが有力な原因の一つだとみています。バードストライクは、離着陸時に航空機と鳥が衝突し、エンジン内部に鳥が吸い込まれたり、機体に損傷を与えたりする現象で、世界各地の空港で警戒されているリスクです。
今回の事故調査には、米国家運輸安全委員会(NTSB)が主導する形で、ボーイング社や米連邦航空局(FAA)の専門家も参加します。ジェジュ航空機がボーイング737-800型機だったことから、製造元であるボーイングも原因究明に深く関わる見通しです。
当局によると、フライトデータレコーダーとボイスレコーダーという2つのブラックボックスはすでに回収されています。ブラックボックスには、操縦席でのやり取りや速度、高度、エンジンの状態などのデータが記録されており、事故直前に何が起きていたのかを明らかにするうえで不可欠です。
遺体の身元確認と、広がる悲しみ
韓国の当局は、犠牲となった179人の身元確認作業を急いでいます。家族や関係者からの聞き取り、DNA鑑定などを通じて、できるだけ早く遺族のもとに情報を届けることが課題となっています。
今回の事故は、韓国の航空史の中でも最悪級の惨事となる可能性があり、社会全体に深い喪失感と衝撃を与えています。犠牲者の出身地や国籍などの詳細は、今後の発表を待つ必要がありますが、国境を越えて多くの人びとがこのニュースに心を痛めています。
今後の焦点:安全対策と信頼回復
航空機事故は、その原因や背景が明らかになるまでに時間がかかることが一般的です。今回も、バードストライクがどの程度影響したのか、機体やエンジンに技術的な問題がなかったのか、運航や管制の判断は適切だったのかなど、複数の観点から検証が進められる見通しです。
今後の主な焦点としては、次のような点が挙げられます。
- ブラックボックス解析を通じた、事故直前数分間の詳細な再現
- バードストライクの有無と、その際の機体の挙動の分析
- 空港周辺の鳥類対策や、既存の安全基準の妥当性の検証
- ジェジュ航空を含む航空各社による安全運航体制の見直し
多くの人びとが日常的に飛行機を利用する現代において、こうした大規模な航空事故は、私たちに改めて「空の安全とは何か」を問いかけます。今回の悲劇を繰り返さないために、調査結果をどう具体的な対策につなげていくのかが、韓国だけでなく、国際社会全体に共有されるべき課題となりそうです。
Reference(s):
South Korea grieves after 179 die in its deadliest plane crash
cgtn.com








