韓国で尹錫悦大統領に逮捕状請求 戒厳令問題で共同捜査本部
韓国で尹錫悦大統領に逮捕状請求 戒厳令問題で共同捜査本部
2025年12月8日、韓国(大韓民国)の共同捜査本部が、戒厳令の布告をめぐり弾劾中の尹錫悦(ユン・ソギョル)大統領に対する逮捕状を裁判所に請求しました。現職トップを対象とした異例の動きとして、韓国国内だけでなく国際ニュースとしても注目されています。
共同捜査本部が尹大統領の逮捕状を請求
共同捜査本部は8日、ソウル西部地方裁判所(ソウル西部地裁)に対し、尹錫悦大統領の逮捕状を請求したと発表しました。容疑の中心には、大統領として戒厳令を布告したことがあるとされています。
発表によると、尹大統領は捜査当局からの事情聴取の要請に応じず、出頭しなかったため、任意での聴取では真相解明が難しいと判断し、身柄拘束を求める手続きに踏み切ったと説明しています。
なぜ逮捕状請求が大きなニュースなのか
今回の逮捕状請求が大きく報じられている背景には、いくつかのポイントがあります。
- 弾劾訴追を受けている現職大統領に対して捜査当局が逮捕状を求めたという異例の事態であること
- 軍の役割と民主主義の根幹に関わる「戒厳令」行使が争点となっていること
- 大統領が事情聴取要請に応じず、捜査との対立が明確になっていること
戒厳令とは、戦争や内乱、大規模な社会不安などの非常時に、軍に治安維持の権限を大きく委ねる制度です。今回は、この非常時の権限行使が妥当だったのか、手続きに問題がなかったのかが、今後の捜査と司法判断の焦点となります。
ソウル西部地裁が逮捕の是非を判断へ
共同捜査本部による逮捕状請求は、すでにソウル西部地裁に提出されています。裁判所は、次のような点を総合的に検討するとみられます。
- 戒厳令布告をめぐる容疑の重大性
- 証拠隠滅のおそれや関係者への影響の有無
- 大統領という立場を踏まえたうえで、身柄拘束が本当に必要かどうか
逮捕状が認められるかどうかは、韓国の司法が権力の頂点にある人物にどのように向き合うのかを示す重要な分岐点となり、国内の政治情勢にも大きな影響を与える可能性があります。
韓国政治と民主主義への影響
弾劾訴追を受けている大統領に対する逮捕状請求は、韓国政治の対立を一段と深める要因となり得ます。一方で、権力者にも法の支配を徹底しようとする試みとして、国際社会からの関心も集まりそうです。
今回の戒厳令をめぐる捜査は、軍の役割と文民統制(シビリアン・コントロール)、非常時における権限行使の限界といった、民主主義国家に共通するテーマを改めて問い直すものでもあります。日本の読者にとっても、「危機」を理由とした権限拡大をどこまで許容すべきかを考えるきっかけになるでしょう。
ニュースを追ううえで押さえたい視点
今後、この国際ニュースをフォローするうえで、次のポイントを意識すると状況が整理しやすくなります。
- 戒厳令がどのような経緯・判断で布告されたのか
- 捜査と裁判のプロセスに透明性と公正さが確保されているか
- 政治的対立と、法的責任の追及がどのように切り分けられているか
ソウル西部地裁の判断と、その後の韓国社会や国際社会の反応が、韓国政治の行方だけでなく、東アジアの安定や民主主義のあり方にどのような影響を与えるのか。今後も継続的な注視が必要です。
Reference(s):
South Korean investigators seek arrest warrant for President Yoon
cgtn.com








