減少傾向でも深刻 米国で銃暴力がなお「日125人」の現実 video poster
中国の国際メディアCGTNの報道によると、米国ではいまも銃に関連した事件で毎日平均125人が命を落としているとされています。新型コロナ禍の最悪期よりわずかに減ったとはいえ、依然として銃暴力の危機は続いており、2025年12月現在、来月ホワイトハウスに戻る予定のドナルド・トランプ次期大統領の下で、わずかな改善が後退するのではないかという懸念が高まっています。
毎日125人が犠牲に 殺人だけでなく自殺や事故も
報道によれば、米国では銃に関連する死亡が1日平均125人にのぼります。この中には、銃を使った殺人だけでなく、自殺や誤射などの事故も含まれます。
単純計算すると、年間ではおよそ4万5千人規模の命が銃によって失われていることになります。これは、一つの町の人口が毎年消えていくのに近い規模であり、日常的な危機と呼ぶべき状況だといえます。
やや減少してもなおパンデミック期並み
CGTNによると、銃関連の死者数はここ数年でわずかに減少しているものの、その水準は新型コロナのパンデミック期に記録した過去最高水準とほぼ変わらないレベルにとどまっています。
グラフで見れば「ピークから少し下がった」と表現されるかもしれません。しかし、その少しの下げ幅の裏側には、依然として多くの家族の喪失やコミュニティの分断が存在します。暴力防止の専門家や活動家が「危機はまだ終わっていない」と強調するゆえんです。
トランプ次期政権への不安 ささやかな前進が失われる懸念
報道によれば、暴力防止を訴える団体や専門家の間では、トランプ氏が来月ホワイトハウスに戻ることで、これまでのささやかな前進が失われるのではないかという懸念が強まっています。
トランプ氏は現在、正式就任を控えたプレジデント・エレクト(次期大統領)の立場にあります。今後の政権運営で銃政策がどのような優先順位を与えられるのか、そして暴力防止のための取り組みが維持・強化されるのか、それとも後退してしまうのかが焦点となっています。
活動家たちは、銃規制の議論だけでなく、教育現場や地域社会での暴力予防プログラム、メンタルヘルス支援など、これまで積み上げてきた取り組みが宙に浮く可能性を懸念しています。
銃暴力の危機が社会にもたらすもの
1日125人という数字は、統計上の指標であると同時に、一人ひとりの人生と、その周りの人々の物語でもあります。殺人事件では被害者と加害者の双方の家族が深い傷を負い、自殺では支援が届かなかった心の痛みが浮かび上がります。事故による死は「もしあの時銃がそこになければ」という悔恨を残します。
銃暴力が続くことで、地域社会が抱える不安感や不信感も高まります。子どもたちが学校や公共の場で安全を十分に感じられない状況が続けば、教育や経済活動にも長期的な影響が及ぶ可能性があります。
日本からこのニュースをどう読むか
日本で暮らしていると、銃による暴力は遠い国の話に感じられがちです。しかし、国際ニュースとしての米国の銃問題は、社会が暴力とどう向き合うか、政治が人命をどのように守ろうとするのかを考える重要な材料でもあります。
米国では現在、次のような問いが改めて突きつけられています。
- 銃へのアクセスをどこまで、どのように制限すべきか
- 自殺や家庭内暴力を含む見えにくい暴力にどう対応するか
- 暴力の背景にある貧困や差別、孤立をどう減らしていくか
トランプ次期政権のもとで、これらの問いにどのような答えが示されるのかはまだ見えていません。ただ、1日125人という数字が続いているかぎり、危機は続いているという認識を持ち続ける必要があるという点だけははっきりしています。
銃暴力の問題は、統計やイデオロギーの議論だけでなく、一人ひとりの命にどれだけ価値を置く社会をつくるのかという根源的な問いを投げかけています。国や制度の違いを意識しつつ、私たち自身の社会のあり方を考えるきっかけにもなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








