韓国で軍幹部2人を起訴 短期間の戒厳令巡り反乱罪と職権乱用容疑
韓国の検察当局は今月初めの金曜日、先月に短期間発動された戒厳令への関与を巡り、陸軍トップと特殊戦部隊の司令官を起訴しました。国際ニュースとしてはもちろん、軍と民主主義の関係を考えるうえでも注目すべき動きです。
何が起きたのか
韓国の聯合ニュースによりますと、検察は陸軍参謀総長のパク・アンス氏と、陸軍特殊戦司令部トップのクァク・ジョンギュン氏を起訴しました。2人は、2025年11月上旬に短期間実施された戒厳令に関与した疑いが持たれており、反乱罪と職権乱用の容疑で、身柄を拘束されたまま起訴されたとされています。
パク氏は戒厳令発動時に戒厳司令官を務めており、クァク氏は陸軍特殊戦司令部の責任者として、当時の対応に関わったとみられています。検察は、戒厳令の発動や運用の過程に重大な違法性があったとみて捜査を進めてきました。
短期間の戒厳令を巡る疑問
今回の起訴の背景には、先月上旬に実施された戒厳令が「なぜ必要だったのか」「どの範囲と権限で実行されたのか」という疑問があります。報道によれば、この戒厳令は短期間で解除されたものの、その決定プロセスや軍の関与の度合いが問題視されています。
一般的に戒厳令とは、大規模な社会不安や戦争などの非常事態に際し、軍が治安維持などで大きな権限を持つ特別措置を指します。通常の民主的な統治の枠組みを一時的に制限する性質があるため、どのような条件で発動され、どのように統制されるのかが大きな論点になります。
反乱罪と職権乱用という重い容疑
検察が適用したとされる反乱罪は、国家の秩序や憲法体制に挑戦する行為に対して問われる、最も重い犯罪の一つといえます。軍が関わる場合、武装組織による権力の不当な行使や、その準備行為などが焦点となります。
職権乱用は、本来付与された権限を逸脱し、違法または不当な目的で行使した場合に問われる罪です。戒厳令下で軍がどのような命令を出し、どの範囲で権限を行使したのかが、今後の裁判で詳しく検証されるとみられます。
民主主義と軍の関係に与えるインパクト
軍のトップ級幹部が反乱罪で起訴されるという事態は、どの国にとっても例外的で重い意味を持ちます。特に、選挙や議会を軸にした民主的な政治体制のもとでは、軍が政治や統治にどこまで関与できるのかという問題と直結します。
多くの民主国家では、文民統制と呼ばれる原則のもと、選挙で選ばれた政治指導者が軍を統制することが重要とされています。今回の韓国のケースは、戒厳令という極めて強い権限が使われた場面で、その文民統制がどこまで機能していたのか、改めて問うものとなりそうです。
また、市民の側から見れば、緊急事態を理由に権利や自由が制限されることへの不安があります。軍がどのような説明責任を果たすのか、司法がどのような判断基準を示すのかは、今後の信頼にも直結します。
今後の焦点と広がる議論
今後、裁判が進む中で注目されるのは、次のような点です。
- 戒厳令発動の必要性がどの程度認められるのか
- 軍幹部がどの範囲まで決定に関与していたのか
- 命令系統や手続きに違法性があったのか
- 今後の再発防止策や制度見直しにつながるのか
韓国内では、緊急事態への備えと、市民の権利保護のバランスをどう取るかという、より広い議論につながっていく可能性があります。軍事や安全保障に関心のある人だけでなく、民主主義のあり方を考えたい人にとっても、追いかける価値のあるニュースと言えるでしょう。
短期間の戒厳令と軍幹部の起訴という今回の事案は、国家の安全保障と市民の自由、そして軍と司法の関係を同時に照らし出すケーススタディとなりつつあります。今後の裁判の行方と、それが韓国社会の制度や議論にどのような変化をもたらすのかが、引き続き注目されます。
Reference(s):
cgtn.com








