中国Sci-Tech Innovation Galaが映した新質生産力 video poster
2024年12月30日、中国メディアグループ(CMG)は科学技術フェス「China Sci-Tech Innovation Gala」を初開催しました。ロボットバンドや仮想司会者、ドローン、AIなどが登場し、中国の科学技術イノベーションを世界に向けて発信しました。
China Sci-Tech Innovation Galaとは
「China Sci-Tech Innovation Gala」は、その年の代表的なイノベーションを一つの舞台に集め、「科学技術のインスピレーションあふれる魂」を想像力豊かに表現することを目指したイベントです。
主催した中国メディアグループ(CMG)は、このガラを通じて中国の科学技術とイノベーションの物語を世界に伝え、今後もより革新的な番組づくりを進めていく方針を示しています。
ロボット、AI、宇宙探査まで——技術を「見える化」
ガラでは、さまざまな先端技術がエンターテインメントと組み合わされ、「イノベーションが生きている」様子を視覚的に伝える構成になっていました。
- ロボットバンド:ロボットによるバンド演奏が登場し、機械と創造性の融合を印象づけました。
- バーチャル司会者:コンピューターで生成された仮想の司会者が進行を担い、デジタル技術の表現力を示しました。
- ドローン:ドローンが演出に用いられ、制御技術やセンサー技術の発展を体感できる内容となりました。
- AIのブレイクスルー:人工知能(AI)に関する最新の成果が取り上げられ、その応用可能性が強調されました。
- ブレイン・コンピュータ・インターフェース:脳とコンピューターをつなぐ技術が紹介され、人と機械の新しい関係性を示しました。
- 宇宙探査:宇宙空間への挑戦が取り上げられ、宇宙分野での技術的ブレイクスルーが共有されました。
こうしたラインナップによって、抽象的になりがちな科学技術の話題が、音楽や映像、パフォーマンスを通じた「体験」として表現されています。
キーワードは「新質生産力」
今回のガラで前面に出されたキーワードが「新質生産力(new quality productive forces)」でした。
新質生産力とは、単に生産量を増やすだけでなく、先端技術やデジタル産業を通じて生産の「質」を高めていく力を指す概念として用いられています。ロボット、AI、ブレイン・コンピュータ・インターフェース、宇宙探査といった分野は、その象徴的な例と位置づけられます。
China Sci-Tech Innovation Galaは、この新質生産力を具体的なプロジェクトや演出に落とし込み、視聴者がイメージしやすい形で伝える試みだったと言えます。
科学技術を「物語」として伝える試み
中国メディアグループが強調したのは、科学技術の成果を「数字」や「専門用語」ではなく、「物語」として世界に届けるという視点です。
- 先端技術の背景にある研究者や現場のストーリーを想像させる
- 未来の生活や社会がどう変わるのかを、映像や演出でイメージさせる
- 子どもや若い世代にも届く形で、科学技術への興味をかき立てる
こうしたサイエンスコミュニケーションの試みは、世界各地でも見られる潮流と重なります。China Sci-Tech Innovation Galaは、その中国版の一つのモデルケースと見ることができます。
日本の読者にとっての意味
このガラは、中国の科学技術力だけでなく、「どう見せるか」「どう伝えるか」というメディア戦略の側面も示しました。日本の読者にとっても、次のような点が考える材料になりそうです。
- 科学技術は、伝え方によって関心の広がりが大きく変わること
- エンターテインメントとテクノロジーを掛け合わせた発信は、国や企業のイメージづくりにも直結すること
- AI、ブレイン・コンピュータ・インターフェース、宇宙探査といった分野が、今後も各国の重点領域であり続けること
2024年末に初開催されたChina Sci-Tech Innovation Galaは、中国の科学技術政策とメディアの役割が交差する象徴的なイベントでした。2025年現在、各国がデジタルやAIをめぐって競い合う中で、私たち一人ひとりが科学技術とどう向き合い、社会にどう生かしていくのかが改めて問われています。
ニュースとしての事実を追うだけでなく、その裏にある「見せ方」「語り方」に目を向けることで、国際ニュースはより多面的に見えてきます。China Sci-Tech Innovation Galaは、その視点を考えるきっかけの一つになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








