レバノン新首相にナワフ・サラーム氏 国際司法裁判所トップを指名
レバノンのジョセフ・アウン大統領は今週月曜日、国際司法裁判所(ICJ)長官のナワフ・サラーム氏を新しい首相に任命し、次期内閣の組閣を正式に要請しました。地元テレビ局アル・ジャディードが報じています。
議会投票で84票の支持を獲得
アル・ジャディードによると、アウン大統領が招集した議会協議で、サラーム氏は議員128人中84人の支持を集めました。これに対し、前首相のナジーブ・ミカティ氏に投票した議員は9人にとどまりました。
一方で、35人の議員は首相候補として特定の人物名を挙げず、誰も指名しない選択を取ったとされています。レバノン政治の分断が続く中でも、サラーム氏が比較的幅広い支持を得たことがうかがえます。
国際司法裁判所トップから故国の政治の最前線へ
サラーム氏は、国際司法裁判所のトップとして知られる国際派の法曹・外交官です。今回の任命により、国際法や多国間外交の経験を、深刻な危機に直面するレバノン国内の政治運営にどう生かすかが焦点となります。
議会で強い支持を得たとはいえ、実際に政権運営を行うには、宗派や政党の利害が複雑に絡み合うレバノンの政治構造を乗り越える必要があります。
議会協議とは何か レバノンの首相指名プロセス
レバノンでは、首相の指名にあたり、大統領が議会内の各会派と協議を行うのが慣例となっています。各議員が支持する人物名を大統領に伝え、その集計結果を踏まえて大統領が首相候補を任命します。
今回は、その協議の結果としてサラーム氏が84票を獲得し、新首相に指名されました。大統領による任命を受けたサラーム氏は、今後、議会内の諸勢力と協議しながら新内閣の顔ぶれを固めていくことになります。
新首相にのしかかる課題
2025年12月8日現在、レバノンは長引く政治の停滞と経済危機に直面しており、新政権には次のような課題が重くのしかかっています。
- 通貨価値の下落や物価高騰への対応など、経済・金融システムの立て直し
- 電力や水道など公共サービスの安定供給
- 汚職と不透明なガバナンスへの改革、行政への信頼回復
- 宗派間のバランスを取りながら政策決定を進める政治的手腕の発揮
国際司法裁判所で培った調整力と法的知見を、国内の制度改革にどう結び付けられるかが注目されます。
これから何が起きるのか
サラーム氏は、各政党や議会会派との協議を通じて閣僚候補を選び、内閣名簿を作成しなければなりません。レバノンでは組閣交渉が長期化することも少なくなく、今回もすんなりと合意に至るとは限りません。
特に、今回の協議で誰も指名しなかった35人の議員の動向は、新政権の安定性を占う試金石となりそうです。サラーム氏がどこまで支持層を広げ、実効性のある政権基盤を築けるかが、今後の焦点です。
国際ニュースとしても、国際司法裁判所トップが母国で行政の長を務めるという異例の展開は、レバノンの政治のみならず、中東地域全体の動きにも影響を与える可能性があります。新政権の組閣と初期の政策運営を追うことが、今後しばらく国際社会の関心事になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








