ロサンゼルス山火事避難住民に広がる不安 再定住の行方は video poster
2025年12月現在、米国ロサンゼルスでは山火事の影響で多くの住民が自宅を離れ、避難生活を続けています。国際メディアCGTNのEdiz Tiyanşan記者が現地で取材した被災者の声からは、再定住の見通しが立たない不安が浮かび上がります。
ロサンゼルスで続く山火事と避難生活
今回の山火事危機では、自宅を失ったり危険区域からの退避を余儀なくされたロサンゼルスの住民が、市内外の避難所や知人宅、ホテルなどに身を寄せています。一部の人は自治体や支援団体が用意した一時的なシェルターで過ごしていますが、多くの人にとってその暮らしはあくまで「仮の生活」にすぎません。
Ediz Tiyanşan記者が話を聞いた人たちの多くは、今後どこで暮らすのか、いつ元の地域に戻れるのかといった具体的な再定住の計画が見えないことに強い不安を抱えているといいます。
「仮の暮らし」が日常になる不安
避難生活が長引くほど、被災した人々の不安は生活のあらゆる面に広がります。たとえば次のような問いが、毎日のように頭をよぎります。
- 家をどこに、どのような形で再建できるのか
- 仕事にいつ戻れるのか、職場は理解してくれるのか
- 子どもの学校や通学先を変える必要があるのか
- 保険金や公的支援は、いつどの程度受け取れるのか
こうした問いにすぐ答えが見つからないとき、人は「今の生活は一体いつまで続くのか」という感覚に苦しむようになります。インタビューに応じた人々もまた、今日と明日の違いが見えにくい避難生活のなかで、精神的な疲れを訴えています。
一時シェルターの役割と限界
一時的な避難所やシェルターは、屋根とベッド、食事や最低限の支援を提供するという意味で、被災者にとって欠かせない存在です。ロサンゼルスの山火事でも、多くの人がこうした場所で身の安全を確保しています。
一方で、シェルターは長期的な「生活の場」として設計されているわけではありません。プライバシーの確保が難しいことや、ペット、高齢者、障がいのある人など、それぞれの事情に十分対応しきれない場面も生まれます。何よりも、そこでは「数週間後」「数か月後」の生活設計まで見通すことはできません。
今回取材を受けた住民たちも、当面の安全は確保されているものの、自分たちの暮らしがどの方向に向かうのかという根本的な問いには、まだ答えを見いだせていません。
失われたのは「家」だけではない
山火事で焼け落ちるのは建物だけではありません。近所づきあいや地域のコミュニティ、通い慣れた店や公園といった日常の風景も、同時に失われます。住む場所が変わることは、生活全体を組み立て直すことを意味します。
インタビューに応じた人々の声からは、「元の場所に戻れるのか」「戻れたとしても、以前と同じコミュニティは残っているのか」といった、目に見えない喪失感がにじみます。こうした心のケアやコミュニティの再建は、物理的な復興と同じくらい重要な課題です。
自然災害と「居場所」をめぐる世界共通の課題
世界各地で、山火事や洪水、ハリケーンなどの自然災害によって、突然住まいを失う人々が増えています。ロサンゼルスの山火事で見られる、避難生活の不安や再定住の難しさは、多くの地域に共通する問題でもあります。
日本でも地震や台風、水害などの経験から、一時避難所での生活が長期化した際のストレスや、わずかな制度の違いが復興スピードに大きく影響することが知られています。ロサンゼルスの事例は、遠く離れた場所の出来事であると同時に、私たち自身の課題を映し出す鏡でもあります。
私たちが考えたい視点
今回の山火事危機で、CGTNのEdiz Tiyanşan記者が伝える被災者の声は、次のような問いを私たちに投げかけています。
- 災害時に「安全な場所」だけでなく、「安心して暮らせる場所」をどう確保するか
- 住民の声を、再定住計画や復興のプロセスにどう反映させるか
- 離れた場所にいる私たちが、情報の共有や支援を通じてどのように連帯できるか
もし自分が、ある日突然、山火事や災害で家を失ったとしたら何が一番不安か。ロサンゼルスの人々の不安に耳を傾けることは、その問いを自分ごととして考えるきっかけになります。
避難生活の不安は、画面越しには見えにくいものです。しかし、その見えにくさにこそ、災害後の社会をどうつくるかという重要なヒントが潜んでいます。
Reference(s):
cgtn.com








