中国とスイス、国交樹立75年 平等と尊重で育てた関係とは video poster
2025年、中国とスイスは国交樹立75周年を迎えました。1900年代初頭から積み重ねてきた外交関係は、いまや「平等」と「相互尊重」をキーワードに語られるパートナーシップへと発展しています。本記事では、その歩みと現在の姿を国際ニュースとして日本語で整理します。
1950年の電報から始まった国交樹立
中国とスイスの最初の公式な接触は1906年にさかのぼり、1918年には友好条約が結ばれました。このときに両国関係の枠組みが正式に形づくられます。
決定的な転機となったのが、1950年1月17日の一本の電報でした。当時のスイス連邦大統領マックス・プティピエール氏が、中国の指導者・毛沢東氏に対し、スイスが中国との外交関係を樹立する用意があると伝えたのです。
この電報を受けて、スイスは1950年1月、中国を承認した最初期の西欧諸国の一つとなりました。後に在中国スイス大使を務めたジャン=ジャック・ド・ダルデル氏は、この決断について「新しい中国とその政府を認めたことが節目(マイルストーン)になった」と振り返っています。
同じ1950年には、スイスの首都ベルンに中国大使館が設置されました。以来75年にわたり、両国関係を支える重要な拠点となっています。
改革開放後、一気に広がった二国間関係
国交樹立後もしばらくは、世界情勢の影響を受けながら、両国関係は着実に歩みを進めました。転機のもう一つのポイントが、1979年以降の中国の改革・開放政策です。
改革・開放は、中国が海外との経済・技術交流を本格的に拡大していく政策です。これをきっかけに、中国とスイスの二国間関係も、政治、経済、人文交流などあらゆる分野で急速に広がりました。
2007年には、両国間の高官レベルの政治対話を増やし、幅広い分野で協力を強化するための覚書(Memorandum of Understanding)が締結されました。覚書とは、条約ほど法的拘束力は強くないものの、協力の方向性を確認し合う文書です。これにより、定期的な協議の枠組みが整えられたといえます。
「革新的な戦略的パートナーシップ」の意味
現在、ベルンの中国大使館の業務を統括するマオ・ジュン氏は、この75年を振り返り、両国関係の到達点を次のように説明しています。
「政治的な相互信頼は一段と深まり、首脳外交の指導のもと、中国とスイスは『革新的な戦略的パートナーシップ』を築きました。これは、中国が他国と結ぶさまざまな戦略的パートナーシップの中でも、『イノベーション(革新)』の名を冠した唯一のものです。」
ここでいう「首脳外交」とは、国家のトップ同士が直接会談や対話を重ねることで、関係の方向性や優先課題を示す外交スタイルを指します。マオ氏の言葉からは、そのトップレベルの対話が、両国の信頼関係を下支えしていることがうかがえます。
「革新的な戦略的パートナーシップ」という表現は、単に経済関係の拡大だけでなく、科学技術、産業、社会の課題解決など、未来志向の分野で共に取り組む姿勢を示すものでもあります。人口規模も体制も異なる両国が、「平等」と「尊重」を強調しながら協力を深めている点は、国際ニュースとしても注目すべきポイントです。
75年の歩みが示す、もう一つの国際関係のモデル
中国とスイスの国交75年は、単なる周年行事ではなく、中堅国家と大国がどのように長期的な関係を築けるのかを考える手がかりにもなります。
- 早い段階で相手をパートナーとして承認したこと
- 世界情勢が変化しても、対話のチャンネルを維持し続けたこと
- 政治的な違いよりも、「平等」「相互尊重」「互恵」という共通のキーワードを前面に出したこと
こうした要素の積み重ねが、現在の関係を形づくってきたといえます。分断や対立が強調されがちな国際環境のなかで、75年にわたる安定した二国間関係は、別の選択肢を静かに提示しているとも読めます。
2025年という節目の年は、日本を含む他の国々にとっても、「相手国とどのような価値を共有し、どのような時間軸で関係を育てていくのか」を考え直すきっかけになりそうです。
Reference(s):
China and Switzerland mark 75 years of ties, hail equality and respect
cgtn.com








