韓国で尹錫悦大統領の拘束延長 支持者が裁判所に突入
韓国の裁判所は日曜日未明、戒厳令(軍法)発動の未遂をめぐり弾劾された尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領に対して拘束令状を発付し、最大20日間の身柄拘束を認めました。この決定を受け、尹氏の支持者らが裁判所の建物に殺到し、韓国社会の分断と緊張が改めて浮き彫りになっています。
最大20日間の拘束を認める決定
ソウル西部地裁は日曜日の午前3時ごろ、弾劾中の尹錫悦大統領に対する拘束令状を発付しました。容疑は戒厳令発動の未遂に関連する内乱容疑とされており、身柄拘束は逮捕期間を含めて最大20日間に延長されます。
尹氏は前日の土曜日、勾留の必要性を判断するための審問に出廷し、拘束を続けるべきかどうかについて裁判所の判断を仰ぎました。
取り調べのスケジュールは、前半の10日間を高位公職者犯罪捜査処(CIO、高官の不正を専門に捜査する機関)が担当し、後半の10日間を検察が行う形で調整されています。CIOと検察は、尹氏の内乱容疑について共同捜査することで合意しており、その後、起訴に踏み切るかどうかを判断する見通しです。
支持者が裁判所に殺到、一時混乱
拘束令状の発付が明らかになった直後、裁判所周辺には尹氏の支持者らが押し寄せました。発表は日曜日午前3時ごろに行われ、現場の機動隊は一時、群衆に押し込まれる形となりました。
映像によると、抗議者らは裁判所の正面入口を守る警察官に向かって消火器を噴射し、その後建物内になだれ込み、オフィス機器や家具を破壊したとされています。
警察は数時間後に現場の秩序を回復したものの、これまでに少なくとも46人の抗議参加者を逮捕したと明らかにしました。ソウル地方警察庁は声明で、違法行為を行った者や扇動・支援した者についても最後まで追跡する方針を強調しています。
裁判所近くにいた救急当局者によると、この混乱でおよそ40人が軽傷を負いましたが、重傷者は報告されていません。
現職大統領として初の逮捕、その重み
尹錫悦氏は、水曜日に大統領公邸で逮捕されました。現職大統領が逮捕されるのは韓国で初めてであり、歴史的な事態となっています。
拘束令状の発付後も、裁判所周辺での緊張は続きました。決定に反発する一部の支持者は、裁判所の裏手のフェンスを乗り越え、窓ガラスを割るために石を投げたとされています。これを受けて、警察は大規模な部隊を投入し、人々を解散させました。
韓国政治と民主主義への問い
今回の尹氏の逮捕と拘束延長は、韓国の政治と民主主義にいくつかの問いを投げかけています。特に、戒厳令発動の未遂という深刻な容疑と、現職大統領の逮捕、そして支持者による激しい抗議という三つの要素が重なっている点が注目されます。
国際ニュースとして見たとき、今回の動きは次のような論点を含んでいます。
- 司法機関と捜査機関は、政治的圧力からどれだけ独立して対応できるのか
- 支持者の抗議行動と、法の支配(ルール・オブ・ロー)をどう両立させるか
- 弾劾手続きと刑事捜査が同時進行する中で、韓国社会の分断をどう抑えるか
これから何を見ていくべきか
今後の韓国情勢を追ううえで、次のポイントが注目されます。
- 尹氏に対する正式な起訴が行われるかどうか
- 支持者・反対派それぞれの市民の動きと、追加の大規模デモの有無
- 韓国国内の政党間の力学や政治構図の変化
- 日本や周辺国との外交・経済関係への影響
韓国政治の行方は、日本を含む東アジアの安全保障や経済にも影響しうるテーマです。2025年末の今、こうした出来事は韓国政治の不確実性を象徴するものとして、司法や民主主義、リーダーシップのあり方を考えるきっかけになりそうです。
Reference(s):
South Korean court extends detention of Yoon, supporters protest
cgtn.com








