DPRK金正恩氏が核物質生産基地を視察 2025年を核戦力強化の重要な年と位置づけ
DPRKの金正恩氏が核物質生産基地と核兵器研究機関を視察し、2025年を核戦力強化の重要な年と位置づけたうえで、国家の核反撃態勢を無期限に発展させる方針を強調しました。地域の安全保障に影響しうる動きとして、国際社会の注目が集まっています。
KCNAが伝えた視察の中身
朝鮮民主主義人民共和国(以下、DPRK)の国営朝鮮中央通信(KCNA)が水曜日に伝えたところによると、金正恩氏は核物質生産基地と核兵器研究を担う核兵器研究所を相次いで視察しました。視察では、兵器級核物質を生産する中核工程を確認し、現在の核物質生産の状況について詳細な説明を受けたとされています。
KCNAによれば、金正恩氏は2025年を核戦力強化政策を実行するうえで決定的な年と位置づけ、兵器級核物質の生産計画を達成し、国家の核の盾をさらに強化する必要があると強調しました。そのうえで、国家の核反撃態勢を無期限に発展させることが、DPRKの揺るがない政治的・軍事的立場だとしています。
力による平和と核反撃態勢の強調
金正恩氏は、KCNAを通じて、力によって平和と安全を確保するという立場を改めて示しました。同氏は「力によって平和と安全を保証することが、われわれの最も正しく不変の闘争方式であり選択だ」と述べ、敵対勢力による厳しい安全保障上の状況や挑戦に直面する中で、実際に使用可能な物理的な力を蓄積し、それを幾何級数的に増大させることが必要だと主張しました。
さらに金正恩氏は、国家の核反撃態勢を無期限に発展させることは、DPRKにとって確固たる政治的・軍事的立場であり、不変の崇高な任務であり義務だと述べたとされています。核抑止力を一時的にではなく、長期的・継続的に高めていく方針を明確に打ち出した形です。
2025年を重要な年とする意味
2025年も終わりに近づく中で、金正恩氏があらためてこの年を核戦力強化の重要な節目と位置づけたことは、DPRKが短期間で兵器級核物質の生産能力と核戦力の質的向上を目指していることを示唆します。視察の対象が核物質生産基地と核兵器研究所という、核開発の中枢にあたる施設だった点も、こうした意図を裏づけるものと受け止められています。
兵器級核物質の生産計画に言及した今回のメッセージは、今後の核実験やミサイル発射の可能性そのものに直接触れてはいないものの、核戦力の量と質の両面を引き上げる方向性を強調するものです。日本や周辺地域の安全保障を考える上でも、DPRKの核開発の動きが引き続き重要なリスク要因であることに変わりはありません。
地域と国際社会への含意
DPRKが核反撃態勢の強化を無期限の任務と位置づけたことで、東アジアの安全保障環境は一段と不透明さを増す可能性があります。核抑止力の追求を前面に出す姿勢は、軍事的な緊張を高めるだけでなく、対話や外交による問題解決を難しくする要因にもなりえます。
一方で、DPRK側は力による平和を掲げることで、自国の安全保障上の懸念を強く訴えているとも言えます。核戦力の増強を安全保障戦略の中心に据える姿勢は、DPRKにとっては抑止と体制維持の手段であり、これをどう扱うかは、地域の安定と非核化をめぐる議論の核心となっています。
今後の注目ポイント
今回の視察と発言を受け、今後の国際ニュースや安全保障議論では、次のような点が注目されそうです。
- 兵器級核物質の生産能力や貯蔵に関するDPRKの今後の公式発表や示唆
- 核反撃態勢の強化に関する追加の軍事演習や装備公開の有無
- DPRKと関係国との対話、制裁、抑止政策をめぐる動き
- 東アジアのミサイル防衛や安全保障戦略の見直し議論への影響
DPRKの核政策をめぐる動きは、日本を含む周辺地域の安全保障に直結するテーマです。日々の国際ニュースをフォローしつつ、こうした発言や視察がどのような意図と戦略の中で位置づけられるのかを考えることが、これからの東アジア情勢を読み解くうえでますます重要になっています。
Reference(s):
cgtn.com








