米国で強制送還が急増 トランプ政権下で広がる移民の恐怖 video poster
米国での強制送還がトランプ政権下で増加し、不法移民として暮らす人々の間で「いつ突然送還されるかわからない」という恐怖が広がっていると、国際ニュースチャンネルCGTNのアラスデア・ベイバーストック記者が報じました。本記事では、この動きが移民コミュニティと米国社会にどのような影響を与えているのかを整理します。
トランプ政権下で強制送還が増加
CGTNの報道によると、トランプ政権の期間中、米国での強制送還件数が増加しました。取り締まりの強化により、在留資格を持たないまま暮らしている人々が、これまで以上に当局による検挙や送還の対象となる状況が生まれたとされています。
こうした動きは、単なる統計の増減にとどまりません。職場や自宅、通りでの接触から拘束につながる可能性が高まったと感じる人が増え、移民コミュニティ全体の心理的な負担を押し上げています。
「突然の送還」への恐怖が広がる理由
報道によれば、多くの人が最も恐れているのは、予告なく日常生活の中で拘束され、そのまま送還されてしまう可能性です。背景には、次のような要素があります。
- 長年同じ地域で暮らしていても、在留資格がなければ常に退去強制のリスクを抱えていること
- 家族の中に米国生まれの子どもや合法的な在留資格を持つ人がいても、本人だけが送還される可能性があること
- 取り締まりの方針や優先順位が明確に伝わらず、「いつ自分の番になるのか分からない」という不透明感が強いこと
この不安は、移民当事者だけでなく、同じ地域で暮らす人々にも広がり、コミュニティ全体の空気を変えていきます。
日常生活への影響:静かな萎縮効果
強制送還の増加とその恐怖は、目に見えにくい形で日常生活を変えていきます。識者の間では、次のような「萎縮効果」が指摘されています。
- 病院や行政サービスの利用を控え、健康や生活の安全が損なわれる
- 警察への相談や被害届をためらい、犯罪の被害が表に出にくくなる
- 子どもを学校行事に参加させることをためらうなど、教育の機会にも影響が出る
こうした変化は統計に現れにくい一方で、コミュニティの信頼関係や社会の一体感をじわじわと弱めていきます。
国際ニュースとしての意味:米国の移民政策をどう見るか
移民の多い米国で強制送還が増えることは、米国内だけでなく、世界の移民政策や人の移動に関する議論にも影響を与えます。ラテンアメリカやアジアなど、米国への移住を選ぶ人が多い地域にとっても無関係ではありません。
強制送還の増加は、ひとつの国の国内政策であると同時に、「誰が、どこで、どのように暮らすことを許されるのか」というグローバルな問いを突きつけています。2025年の今、各国が移民や難民の受け入れをめぐって揺れる中、米国の動きは引き続き注目されます。
私たちが考えたい3つの視点
トランプ政権下の強制送還急増というニュースから、日本やアジアで暮らす私たちが考えられるポイントを整理すると、次のようになります。
- 国境管理と人権のバランスをどこに置くべきか
- 子どもや長年暮らしてきた人々の生活基盤を、政策はどこまで守るべきか
- 恐怖や不安が高まるとき、地域社会はどのように信頼関係を維持できるのか
ニュースを「遠い国の出来事」として消費するのではなく、自分の住む社会で同じような状況が起きたときどう考えるかをイメージしてみることが、情報を自分ごととして捉える第一歩になりそうです。
強制送還の急増と、それに伴う移民コミュニティの恐怖は、数字だけでは測れない現実を映し出しています。今後も米国の移民政策をめぐる動きとともに、当事者の声に耳を傾ける報道が求められます。
Reference(s):
cgtn.com








