イスラエルのUNRWA禁止に国連機関が反発 支援継続を宣言
イスラエルが国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の活動を禁止する法律を施行する一方で、UNRWAは「現場にとどまり、支援を続ける」として任務遂行を続けており、人道支援と安全保障をめぐる緊張が一段と高まっています。
イスラエル、UNRWAとの関係を法的に遮断
2024年10月、イスラエル議会はUNRWAの国内での活動を禁じ、当局による同機関との接触も禁止する二つの法律を可決しました。これらの法律は木曜日に発効し、イスラエルはUNRWAとの制度的な関係を断つ方向に踏み出しました。
イスラエル外務省のオレン・マルモルスタイン報道官はSNS「X」で、1月30日からイスラエルがUNRWAとのあらゆる関与を停止すると投稿しました。イスラエル政府はUNRWAがガザ地区での「テロ活動」を助長し、武装組織ハマスの構成員を雇用していると非難しています。
UNRWA「とどまり、届け続ける」
これに対し、国連事務総長報道官のステファン・デュジャリック氏は会見で、UNRWAが設立目的に基づく活動を続ける姿勢を崩していないと明らかにしました。
デュジャリック氏は「UNRWAはここにとどまり、支援を届けることにコミットしている」と述べ、イスラエルの禁止措置が発効した後も活動継続の方針を強調しました。
東エルサレムにあるUNRWA本部の建物は、警備要員を除いて空になっているものの、職員は診療所など現場で活動を続けたり、自宅や別の拠点から業務を行ったりしているといいます。
ヨルダン川西岸とガザで続く基礎サービス
デュジャリック氏によると、占領下のヨルダン川西岸地区(東エルサレムを含む)にあるUNRWAの診療所は引き続き開いており、住民への医療サービスが提供されています。
また、UNRWAはガザ地区でも、保健と教育の支援に加え、食料援助の提供を続けていると報告されています。同氏は、UNRWAが活動を継続できなくなるその時まで業務を続けることが指示されていると説明しました。
国際社会から広がる懸念と批判
UNRWAの活動禁止と関係断絶の方針は、パレスチナの人々にとって命綱となっている支援、教育、医療を脅かすものだとして、国際的な指導者や支援団体から強い懸念と批判が寄せられています。国連も繰り返し、こうした措置は壊滅的な結果をもたらしかねないと警告してきました。
UNRWAは1950年の設立以来、ヨルダン、レバノン、シリア、ガザ地区、そしてヨルダン川西岸地区(東エルサレムを含む)でパレスチナ難民を支援してきました。イスラエルの禁止措置は、この長年の支援体制に大きな圧力を加えています。
「人道」と「安全保障」の間で揺れる議論
今回の動きは、武装勢力への懸念と人道支援の必要性という、国際社会が繰り返し直面してきたジレンマを改めて浮き彫りにしています。一方では安全保障上の懸念が強調され、他方では、支援が途絶えることで最も弱い立場にある人々の生活が直撃されるリスクがあります。
現場で医療や教育、食料援助を受ける人たちにとって、UNRWAの活動は政治的な議論とは切り離された日常そのものでもあります。法律や外交の決定が、日々の医療や学校、食卓にまでどう影響するのか。今回のUNRWAをめぐる対立は、国際ニュースとしてだけでなく、人道と安全保障のバランスをどう考えるかという問いを、私たち一人ひとりにも投げかけています。
ポイントで振り返る
- イスラエル議会は2024年10月、UNRWAの活動と当局との接触を禁じる二つの法律を可決
- 法律の施行後も、UNRWAはヨルダン川西岸やガザ地区で医療・教育・食料支援を継続
- イスラエル側はUNRWAとハマスの関係を主張し、国際社会や支援団体は人道的影響を懸念
Reference(s):
UNRWA defies Israeli ban, vows to continue aid amid backlash
cgtn.com








