トランプ氏の新関税に揺れるカナダ 米加同盟の溝は深まるのか video poster
米国とカナダのあいだで、トランプ氏の最新の関税措置をきっかけに貿易摩擦が強まっています。長年の同盟国どうしの緊張は、両国の人々とビジネスにどんな影響を与えているのでしょうか。本記事では、カナダの首都オタワから伝えられた反応を手がかりに、この国際ニュースを日本語でわかりやすく整理します。
米国とカナダ、緊密だからこそ揺れる関係
米国とカナダは、安全保障の面でも経済の面でも、長年にわたる同盟関係にあります。両国の産業やビジネスは、国境をまたいでサプライチェーン(部品や素材の供給網)を共有し、互いの市場に深く依存してきました。
今回の関税をめぐる動きは、そうした「相互依存の関係」がいかに繊細なバランスの上に成り立っているかを浮き彫りにしています。
2月1日に発動された「関税」と「報復関税」
2025年2月1日(土)、米国とカナダはそれぞれ、新たな関税と報復関税を発動しました。米国側の措置は、トランプ氏による最新の関税として位置づけられており、カナダから米国に輸入される一部の品目が対象となっています。
- トランプ氏が、カナダからの輸入品に新たな関税を導入。
- これに対しカナダ側も、米国からの輸入品に報復関税を課す措置を決定。
- 両国による関税と報復関税は同じ2月1日(土)に発動され、国境をまたぐ取引に不確実性をもたらしました。
この「関税合戦」は、単に税率を引き上げるという技術的な話にとどまらず、人々の生活や地域経済の不安へとつながっています。
オタワから見える、カナダの不安と戸惑い
中国国際テレビ(CGTN)のダン・ウィリアムズ記者は、カナダの首都オタワから、今回の関税措置に対するカナダ側の反応を伝えています。報道によれば、国境の双方で懸念が広がっており、カナダでもその影響を不安視する声が出ています。
オタワでは、産業界や労働者のあいだで次のような懸念が強まっています。
- 関税によるコスト増で企業収益が圧迫され、投資や雇用に影響が出るのではないか。
- 原材料や部品の価格が上昇し、最終製品の価格にも波及するのではないか。
- 関税が長期化すれば、米国との信頼関係そのものが損なわれるのではないか。
特に、米国向け輸出に大きく依存する中小企業にとって、追加の関税負担は死活問題になりかねません。企業側は、価格転嫁かコスト削減かという難しい判断を迫られ、そのしわ寄せが労働者や消費者に及ぶ可能性があります。
一般のカナダの人々にとっても、物価上昇や雇用不安といったかたちで、国際政治の動きが身近な問題として感じられつつあります。
同盟国どうしの貿易摩擦が示すもの
今回の特徴は、「敵対関係」にある国同士ではなく、同盟関係にある米国とカナダが互いに関税を掛け合っている点です。これは、同盟国どうしであっても、通商をめぐる利害が対立すれば、政治的な緊張が一気に高まることを示しています。
また、関税はしばしば国内向けの政治メッセージとしても使われます。自国の産業や雇用を守る姿勢をアピールする一方で、その影響は同盟国の企業や市民に直接及びます。結果として、短期的な「強い姿勢」が、長期的な信頼関係の揺らぎにつながるリスクもはらんでいます。
日本の読者が押さえたい3つのポイント
遠く離れた米国とカナダのニュースに見えても、日本の読者にとって無関係とは言えません。押さえておきたいポイントは次の3つです。
- サプライチェーンへの波及
多くのグローバル企業が北米に生産拠点や販売網を持っており、関税の変化は間接的に日本企業や日本市場にも影響を及ぼす可能性があります。 - 同盟国どうしでも起きる貿易摩擦
どれほど関係が緊密でも、国内政治の動き次第で関税措置が突然導入されることがあります。日本にとっても、「同盟だから安心」という前提を見直すきっかけになり得ます。 - 数字の裏にある生活への影響
関税のパーセンテージの議論だけではなく、その裏側で不安を抱える企業や労働者、消費者の視点に目を向けることが、ニュースを立体的に理解する手がかりになります。
今後の行方は?注目したいポイント
2月1日に発動された関税と報復関税をめぐる動きは、今後も米加関係の重要な焦点であり続けそうです。国際ニュースとして見ておきたい論点は、次のような点です。
- 米国とカナダが交渉を通じて関税を引き下げるのか、それとも対立が長期化するのか。
- 産業界や労働団体が両政府にどのような対応を求めていくのか。
- 他の同盟国や国際社会が、今回の動きをどのように受け止め、将来の貿易ルールづくりにどう反映させていくのか。
関税の数字だけでは見えにくい、市民や企業の不安や戸惑いに目を向けることが、米加関係を理解するうえでの重要な一歩になりそうです。ニュースを追いながら、自分ならどのようなバランスの取り方が望ましいと考えるか、一度立ち止まって考えてみることが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








