米国の大量送還で飢餓の恐れ 移民団体が鳴らす深刻な警鐘 video poster
米国で進む大量送還をめぐり、移民の権利を訴える団体「Alliance San Diego」が、最悪の場合は飢餓にまでつながりかねないと強い危機感を示しています。強制送還への恐怖が、在留資格のない人々を社会の「影」に追いやり、仕事や収入の喪失、地域経済の不安定化を招いていると警告します。
移民団体が警鐘 恐怖が人々を地下に追いやる
Alliance San Diegoによると、大量送還の取り締まりが強まるとの見方が広がるなか、強制送還を恐れる多くの人々が、公共の場に出ることや行政サービスを利用することを避けるようになっているといいます。
その結果、日雇い労働や非正規の仕事すら失う人も増え、安定した収入源を確保できない家庭が目立ち始めていると指摘します。雇い主側にとっても、摘発リスクを恐れて採用を控える動きが出れば、地域全体の労働市場にも影響が及びます。
低所得コミュニティに集中する打撃
移民支援団体がとくに懸念しているのは、もともと所得水準が低く、生活に余裕のないコミュニティが、最も大きな打撃を受けている点です。安全網が薄い人々ほど、突然の失業や所得減少に耐える余力がありません。
Alliance San Diegoは、こうした状況が続けば、次のような連鎖が起こりうると警告します。
- 収入の途絶により、最も基本的な食料の確保すら難しくなる
- 家賃や医療費を支払えず、ホームレスや健康悪化が増える
- 社会からの孤立感が強まり、差別や偏見が固定化される
団体は、このままでは地域社会の中で「見えない飢餓」と深い周縁化が進み、長期的な格差拡大につながると訴えています。
大量送還が社会にもたらす長期的なコスト
移民支援団体が問題視するのは、人道的な側面だけではありません。恐怖に基づく大量送還が続けば、労働力の喪失や消費の減少を通じて、地域経済全体にも負の影響が波及しうるからです。
短期的には「違法滞在者を減らす」という成果のように見えても、長期的には治安悪化や公衆衛生の悪化、教育機会の喪失など、さまざまな社会コストとなって跳ね返る可能性があります。
CGTNのエディズ・ティヤンサン記者は、Alliance San Diegoをはじめとする支援団体の声を追いながら、現場で何が起きているのかを伝えています。
日本から考える「見えない人」を生まない社会
日本に暮らす私たちにとっても、米国の大量送還をめぐる議論は無関係ではありません。厳しい取り締まりが行われるときこそ、社会の中で声を上げにくい人々がどのような影響を受けるのかを想像することが求められます。
移民やマイノリティーをめぐる政策は、数字やスローガンではなく、そこで暮らす一人ひとりの生活と尊厳に直結します。Alliance San Diegoの警鐘は、2025年の今、世界各地で進む移民政策のあり方をあらためて問い直すものと言えそうです。
Reference(s):
Immigrant rights group warns of starvation amid mass deportations
cgtn.com








