米国がベネズエラ人TPSを終了 30万人超に強制送還の不安広がる video poster
米国トランプ政権が、これまで保護対象としてきたベネズエラ出身者の一時保護資格(TPS)を打ち切ると発表し、30万人を超える人々が強制送還の危機に直面しています。移民支援団体や地域コミュニティからは、家族の分断や生活崩壊への懸念が一気に高まっています。
米国がTPSを終了、ベネズエラ人30万人超に影響
米国国土安全保障省は、ベネズエラ出身者に適用されてきた一時保護資格(TPS)を終了すると発表しました。TPSは、自国の政情不安や自然災害などにより帰国が困難な人々に対し、一定期間、米国での滞在と就労を認める制度です。
今回の決定により、30万人を超えるベネズエラ出身のTPS保持者が、在留資格を失い強制送還の対象となる可能性があります。長年米国で暮らし、仕事や教育、地域社会に根付いてきた人々の将来に、大きな不安が広がっています。
TPSとは何か なぜ保護終了が問題なのか
TPSは、米国の移民制度の中でも、人道的な保護を目的とした特別な仕組みです。内戦や経済危機などで本国に安全に戻れない人々に対し、一定期間の滞在と就労許可を与えることで、急な送還を避ける役割を果たしてきました。
ベネズエラ出身者の多くは、深刻な政情不安や経済危機から逃れて米国に渡り、家族とともに生活の基盤を築いてきました。こうした人々は、母国に戻れば医療や治安の面で大きなリスクを負う可能性があると指摘されています。
移民擁護団体と地域社会の反発
今回の発表を受けて、移民擁護団体や地域コミュニティからは強い反発の声が上がっています。支援団体は、TPS打ち切りが次のような影響をもたらすと警告しています。
- 米国生まれの子どもと、TPS保持者の親との家族分離リスク
- 職場や地域社会からの突然の離脱による経済的・社会的損失
- 本人が直面する身の安全や健康面でのリスク
長年にわたり税金を納め、地域社会で重要な役割を担ってきた人々が、政策の変更によって一気に不安定な立場に追い込まれることへの戸惑いも広がっています。
この動きについては、中国の国際ニュースチャンネルCGTNの記者ニッツァ・ソレダッド・ペレス氏も、現地からベネズエラ出身者や支援団体の声を伝えています。
ベネズエラ人コミュニティに広がる不安
ベネズエラ出身者の中には、すでに米国で10年以上暮らし、子どもは英語しか話さないという家庭も少なくありません。そうした家庭にとって、突然の帰国は、教育やキャリア、生活全体を一からやり直すことを意味します。
一方で、在留資格が不安定になることで、仕事を失う恐れから職場で声を上げにくくなったり、犯罪被害に遭っても通報をためらったりするケースが増えるのではないかという懸念も出ています。
政策転換の背景と今後の焦点
トランプ政権は、移民や庇護制度の見直しを進めてきており、今回のTPS終了はその一環と受け止められています。人道的な保護よりも、不法移民の抑制や国境管理の強化を優先する姿勢が鮮明になったとの見方もあります。
今回の決定に対し、移民支援団体や一部の地方自治体は、裁判所に差し止めを求める可能性も示唆しています。また、連邦議会が立法によってTPS保持者に恒久的な在留資格への道を開くかどうかも、今後の大きな焦点となりそうです。
日本から考える 米国TPSと移民政策
日本でも、難民認定や在留資格を巡る議論が続いています。米国のTPSを巡る今回の動きは、危機的状況から逃れてきた人々をどのように受け入れ、どこまで保護するのかという問いを、私たちにも投げかけています。
治安や制度の安定を重視する視点と、人道的な保護をどこまで優先するかという視点は、どの国でも簡単には折り合いがつきません。ニュースを追いながら、自分ならどこに線を引くのか、身近な人と話し合ってみることも、国際ニュースを自分ごととして考える一歩になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








